君でなければ (ページ5)

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FIRST FLIGHT 1 ページ5

無事にお客様を飛行機に乗せ、お別れしてから自分もエコノミーに移動する。

ひとり旅に不慣れそうなvip様がちょっと心配だったので、もし何かお困りのことがあったら、お申し付けくださいね、と言って座席を伝えておいた。

まあ、何かあっても、vip様がウロウロとこちらに来ることはないだろうけどね。
機内にはCAがいるし、そこんとこの手配もぬかりなしだから。

そして。
ようやく落ち着いた私は、なぜか昔を思い出していた。
あの人の声に、どこか自分の感情が揺さぶられたような気がする。

不思議な人ね。
まあ、二度と会うこともないだろうけど、芸能人なら、いつかテレビで見かけるかしら。
そしたら、ファンになったりするかもしれないな、、、

そんなことを思いながら、目を閉じた。

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私が韓国語と出会ったのはー

2001年の春、大学入学と同時にだった。
当時はまだ、冬のソナタも始まってなくて。その後の韓流ブームなんて想像もつかない頃だったから。

海外での仕事を夢見て外語大学を志望していたものの、英語やフランス語、ましてやビジネス用語として今後注目とされていた中国語など花形学科には偏差値が全く足りなかった私がー

朝鮮語学科ならば合格出来たのだ。

しかし、

韓国語なんて何に使うのよ？
これじゃ就職も期待出来ないわね。
日本語教師にでもなるしかないんじゃないの？

そんな、親や同じ学科に入学した友達との悲観的な会話は

数年後、様相を一変することになったのだった。

狂乱とも言える韓流ブーム。
ドラマから何から。
日本のメディアに韓国が溢れていった。

韓国語が相当できると言うだけで、引く手数多の就職活動。
マスコミ関係の会社にも、たくさん就職口があったけど。

地味な私は、普通に、航空会社の旅行部門を選んだのだった。

おかげで仕事は忙しく、気がついたら、20代も終わりに差し掛かっていた。
その間付き合った人は何人かいたけれど。

結局、結婚までは至らなかった。

はあ、、、もう、仕事に生きるしかないのかしら。

そう言えば、働き始めの頃付き合った、今まででいちばん好きになったし、プロポーズまでされたけど

結局入隊するからって別れて、母国に戻ってしまってそれきりの

彼は元気にしているのかな、、、