シンデレラ・ガール＊1＊ (ページ15)

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櫻井さんはゆっくり目を開けるとニコッと笑って私を見ると

「まだ痛みはあるようですが…これなら大丈夫そうですね。起き上がれますか？」

と言った。

何この人すごい。

私の背に手を回して、ゆっくりとベッドから起き上がらせてくれると、そのまま手と点滴を持ち、リビングまで連れてくれた。

「会長。」

櫻井さんがそう声をかけると、会長と呼ばれたおじいさんがこっちを振り向いた。

優しそうな顔だ。

「あぁ、起きたか。体調はどうだ？」

私に聞いているのだ。

「あ、あぁ、大丈夫…です、」

そう伝えると、よかった。と呟き、ソファーに腰掛けるように伝えられる。

櫻井さんがゆっくり私の行動を手伝ってくれた。

「運が良かったなお嬢さん。

わしがあそこを通らなければ、お嬢さんは雨に打たれたまま、死んでいたかもしれないぞ？」

と言った。

そういえば、お腹が痛くなってその場にうずくまってしまったことをおもいだす。

このおじいさんが助けてくれたのか。

「ありがとうございます…助けていただいて…」

「いや、それは構わないのだ…櫻井よ」

「はい」

おじいさんは櫻井さんを呼ぶと、何やらもう1人名前を告げてその人を呼ぶようにと櫻井に告げた。