パパと息子 (ページ4)

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パパと息子とお隣さんページ4

増田Side

ようやく仕事が一段落して、パソコンから目を離し大きく伸びをする。

「うわー、何これ？」

俺一人しかいないはずの部屋から聞こえた声に驚いて振り返れば、祐が俺のパソコンを覗いていた。

「勝手に人ん家入ってくんなよ！」

「だって、鍵空いてたよ？
それに、おじゃましますって言ったもん！」

仕事に集中してて、気づかなかった。

「父さんは？」

「知らないよー、まっすーのお父さんのことなんて。」

「なんで俺の父親の話になるんだよ。
お前の父親。」

「ちちおや？…んーっと、あ！シゲか！」

考え込んでやるなよ。

そんで、閃いたみたいな顔するなよ。

「シゲね、いま怒ってるの。
だから、避難しにきた！」

「ふーん、何したの？」

どうせまた、ちょっとしたイタズラだろう。

「シゲのパソコンをカタカタしちゃったら、お仕事のデータ飛んじゃったんだって。」

ちょっとどころのイタズラじゃなかった。

おい、その危険な目でこのパソコンを見つめるな。

「それで練習してもいい？」

「絶対ダメだから。」

これは、祐の手の届かない場所に閉まっておくか。

「で、これからどうすんの？」

「シゲの怒りをしずめるというミッションをにんめーする！！」

俺まかせかい！

ほら、チャイム鳴った。

もうバレてんじゃん。

「せいこーを祈るぞ！」

この子は一体、最近どんな映画をみたんだろうか。

祐はそう言ってクローゼットの中に隠れた。

あんな場所に隠れたら、見つかったとき終わりなのに。

「こんにちは。
もしかして、祐のことですか？」

「はい。こっちに来てると思って。」

加藤さんの顔からは怒りが滲み出ている。

「来てないよ！！」

まさかの自分からバラしていくスタンスか？

「ご迷惑おかけしました。」

さすが父親というべきか、加藤さんは祐が隠れたクローゼットに一直線に進んでいった。

「みーつけた」

その声がおどろおどろしい。

「まっすー！たすけて！食べられる！」

食いはしないだろ、さすがに。

「仕事道具にだけは絶対にイタズラするなって言っただろ！」

加藤さんは、小脇に抱えていた祐の尻にバシンと1発お見舞いした。

「本当にご迷惑おかけしました。
そうだ、今日の夕飯餃子にしたので、良かったら一緒にどうです？」

よっしゃ！祐で餃子がつれた！