パパと息子 (ページ3)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:12,176 hit

パパと息子とサッカー2 ページ3

成亮Side

結局俺は、祐に連れられてアパート前の公園に来た。

「よし、シゲがとっておきの練習法を教えてあげる。」

「なになに？！」

「あそこに壁があるだろ？
あそこにボールを蹴るんだ。
そして、跳ね返ってきたのをまた蹴る。」

そして、俺はそれを座って見てる。

「シゲ、やって見せてよ！」

キラキラした目で祐が見てくる。

「よーし、よく見てなよ？」

ここは父親としてちょっとカッコつけたい。

気合を入れて、ボールを蹴った。

……と思ったのに、脚はただ空を切った。

「シゲ…ごめんね？」

「待て、祐。その憐れむような顔で謝られるのが1番キツいんだ。」

「シゲ！ゴメンね！」

「ごめん、シゲが間違ってた。
これでもかってくらい爽やかに言われてもキツいわ。」

「そうだ！神様にお願いしてみたら？
うんどーしんけーを返してくださいって！
お母さんがね、シゲはうんどーしんけーを神様に奪われたから、運動ができないって言ってた！」

Aは何を吹き込んだ！

「そんなことしなくても大丈夫だぞ。
シゲだってちゃんと練習したらできるんだから。」

「そっか！じゃあ練習しよ！
祐、今日はシゲにボール貸してあげる！
さっきの、とっておきの練習法なんでしょ？
祐、隣で応援してるから！」

…墓穴掘ったな。

「ほら、早く早く！」

仕方なく、今度は慎重にボールを蹴った。

ボールは跳ね返って戻ってくる。

そしてそれをまた、

…蹴ろうとして空振りした。

「もう一回！」

こうして、鬼教官のもとで昼まで練習させられた。

翌日、激しい筋肉痛に襲われたのは言うまでもない。