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テミン side
「ソクジンが悪い！」
「いやぁ、…あれは不可抗力であって」
物凄い剣幕でソクジンを責めるスジョンと困り顔のソクジンの様子に、僕はさっきまで相手をしていた子が動き出さないか気を留めながら、声を掛ける。
「わかったから2人とも。結果はどうであれ目的は果たした。とりあえず、Aのことは後にして、今すぐここから撤退を。テヒョンにも連絡をして」
「あ〜…うん」
テヒョンに電話を掛けるソクジンを横目に、僕はもう1人、倒れている人間を確認する。
「(確か…キムジヒョンの研究所にいた)」
氷の能力者。
手に入れた組織のデータには彼の情報はなかった…だとすると、彼は組織の人間ではないはず。
「君もまた利用された人間か…」
どれだけ多くの人間が"あの人"の手の上で転がされているのか。
どれだけの犠牲を出せば済むのか。
答えのでない疑問は、霧がかった心に沈んでいく。
諦めろ…全員を救うのは、無理だと。
僕は、Aだけを助けると決めたんだ。
「テミン、そいつと…そこで倒れてる奴はどうする？」
「…放っておこう。どちらも今は動けはしないよ」
僕が相手をしていた子と、氷の能力者を指差すスジョンは僕の返答に、わかった…。と少し沈んだ声音を出していた。
恐らく当初の予定していた計画と違ってしまったせいだろう。
仕方のないことだ。
Aの存在は…あの日を境にこの世界ではイレギュラーとなってしまった。
彼女の行動は僕ですら"視る"ことは不可能だ。
……とは言っても、彼女の突拍子もない行動は、昔から何ら変わりはない。
昔も今も、Aは誰かの為に生き続けてる。
「テミン、テヒョンがこっちに来るって」
「うん、わかった。それじゃあ目標地点で合流しよう」
ソクジンにそう言って歩きだそうとした時、突風が駆けた。
時間稼ぎの為にスジョンがばら蒔いた催眠薬は、組織内の建物に充満しきる前に風で飛ばされる。
「なに今の風っ。私が丹精込めて作ったのに全部吹き飛ばすなんて！」
催眠薬はスジョンの能力の一つ。
幼い頃から魔女だと呼ばれていたスジョンの能力は、化学薬品の生産。
催眠、麻痺、毒、様々な薬の生産を得意とする。
「…早く行こう」
風の発信源はまだ少し遠い。
追いつかれる前に早く脱出を、と2人に促すと今度は空間がひんやりと凍りついていくのを目の当たりにし、僕はため息をつく。
中々上手くいかない。
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yui(プロフ) - ルカさん» ありがとうございます！それは誰が為に 5公開しました。 (2020年5月22日 3時) (
レス) id: b7a9992a65 (このIDを非表示/違反報告)
yui(プロフ) - 伊狐さん» ありがとうございます！それは誰が為に 5公開しました。 (2020年5月22日 3時) (レス) id: b7a9992a65 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ - いつも読ませていただいてます。とっても面白いです。パスワードを教えていただきたいです。今後も楽しみみしてます! (2020年5月22日 2時) (レス) id: 7b2d92024a (このIDを非表示/違反報告)
伊狐(プロフ) - この作品が大好きでお気に入りです！パスワード教えてください！これからも応援しています！ (2020年5月22日 2時) (レス) id: c76b536d3e (このIDを非表示/違反報告)
レオナ(プロフ) - ジュンピ落ちがいいです！これからも頑張ってください！ (2020年5月11日 23時) (レス) id: 4de243fabb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yui | 作成日時：2020年3月30日 22時
