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時は少し前に遡る。
ーーー
テミン side
「ソクジン、だめ！！」
スジョンの声に僕は一瞬だけそちらに意識を逸らす。
Aがソクジンの能力で鏡の中に吸い込まれた光景に、思わず目を見開いた。
「Aっ」
「よそ見？余裕だね」
僕の頭目掛けて蹴りあげようとする相手のそれをギリギリで避け、距離をとる。
猛追という言葉が正しいのか。
いつの間にか防御ばかりの自分に、こんな事をしてる場合じゃないのに、と内心愚痴を零す。
同系統の能力使いの為か、厄介極まりない。
いや、
「(だからこそ、か)」
それを見越して"あの人"は目の前の相手を僕にあてたのかもしれない。
そういう抜け目のない人だ。
小さく息を吐いた。
呼吸を整え、相手の顔を改めて見る。
自分よりも若い相手の子は、少しだけ辛そうに顔を歪め、右目を抑えていた。
「君…その能力の使い方だと、先が長くないよ」
「………」
同系統だからこそわかる。
"先を視る"タイプの能力。
彼の場合は恐らく、動体視力の向上。
そうすることで、相手の動きを先読みする。
こういう能力は使い続けると、身体への負担が大きい。
「俺には…これしかないから」
相手の子は右目を抑える手を離す。
大きな瞳からは小さく一筋、赤い血が流れていた。
「…そう。可哀想に」
だけど、情けをかけてる暇はないよ。
"あの人"が動き出す前に、こちらは全てをなんとかしなくちゃいけない。
ずっと待っていたんだ、この時を。
「ごめんね」
構えた拳銃に、相手の子はまた走り出す。
引き金を引く間際に、僕は能力を使う。
ステップを踏み、避けようとするその子の避ける先を"視て"、僕は彼の右肩を撃ち抜く。
「……っ！！」
初めての手応え。
怯んだ瞬間を狙い、また一発右脚を撃ち抜く。
どさりと倒れ込む相手は肩で息をし、呻いていた。
「なん、で…」
「君は、相手の行動を先読みする能力だけど、僕は"未来を視る"能力だ。どちらも似たような能力だけど、"読む"と"視る"では決定的に違うところもある。…まぁ、使い方にもよるけどね」
それに君の右目、あまり機能してないでしょ？と言えば、相手は自嘲気味に笑っていた。
「……やっぱり…勝てないんだね貴方には。俺は、劣化版だから」
「…劣化版…？」
彼の言葉の意味がわからず僕は首を傾げた。
だけど、テミン！とスジョンから呼ばれた声にそれを言及することは出来なかった。
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yui(プロフ) - ルカさん» ありがとうございます！それは誰が為に 5公開しました。 (2020年5月22日 3時) (
レス) id: b7a9992a65 (このIDを非表示/違反報告)
yui(プロフ) - 伊狐さん» ありがとうございます！それは誰が為に 5公開しました。 (2020年5月22日 3時) (レス) id: b7a9992a65 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ - いつも読ませていただいてます。とっても面白いです。パスワードを教えていただきたいです。今後も楽しみみしてます! (2020年5月22日 2時) (レス) id: 7b2d92024a (このIDを非表示/違反報告)
伊狐(プロフ) - この作品が大好きでお気に入りです！パスワード教えてください！これからも応援しています！ (2020年5月22日 2時) (レス) id: c76b536d3e (このIDを非表示/違反報告)
レオナ(プロフ) - ジュンピ落ちがいいです！これからも頑張ってください！ (2020年5月11日 23時) (レス) id: 4de243fabb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yui | 作成日時：2020年3月30日 22時
