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綺麗な顔をしてるのに、口が悪いのが難点で、だけど本当は誰よりも優しく仲間思いなジョンハンさん。
辛い過去を持つ素振りを一つも見せることもなく、彼は今まで、どんな思いをして能力を使い続けてきたのか。
私に、わかるわけなんてなかった。
「どうして…こんなっ…」
思わず零れた言葉と涙。
ジスさんから抱きしめられ、目の前の光景から目を逸らす。
赤く染まる。
何もかも、全て。
過去は、変えることは出来ない。
『お母さ、ん…？』
『………』
ジョンハンさんを庇うように抱きしめた母親の背中には、深く突き刺さった包丁。
父親はどこかへ逃げ、取り残されたジョンハンさんは母親の身体を揺さぶれる。
『お母さん、お母さん…おきて』
ぽろぽろと、大きな瞳から流れる雫は母親の頬に落ち、そのまま伝う。
『おねがい、お母さん…ひとりに、しないで』
小さく、いかないで…。と震える声。
どうして、と誰かに問う声。
『…ごめん、なさい…僕のせいで、ごめんなさいっ、お母さん、ごめんな、さい』
泣くジョンハンさんを横に、ガタガタと何かに呼応するかのように建物が揺れ動く。
「な、なに…」
記憶の世界でこんなことが起きるのは初めてで、私は焦ったように辺りを見渡す。
「外が…」
「…え？」
ジスさんの言葉に窓の外に目を向ける。
家の周りの地面が崩れ始めていたのだ。
ここも時間の問題のようで…建物の揺れからして、時期にこの場所も崩れる。
崩れた地面の先は果てしない奈落の底。
落ちたら戻って来れないのだろうと、直感でそう思わせた。
「ハニとこの記憶の世界が同調しているんだ…」
「…同調？」
「うん。なんとかしなきゃ、このままじゃ僕達も元の世界に帰れなくなる」
「…どうすれば」
ジスさんは考え込むように口元に手を当て、ハッとする。
「そもそもハニはどこに…？」
記憶の世界は、昔の自分を映し出し、そして今の自分も存在する。
私がいた世界も、ジスさんがいた世界も然り。
だとしたら、ジョンハンさんもこの世界のどこかにいるはずだ。
「手分けしてハニを探そう」
「は、はい！」
残された時間は少なく、どこかにいるだろうジョンハンさんをジスさんと手分けをして探すことになった。
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yui(プロフ) - ルカさん» ありがとうございます！それは誰が為に 5公開しました。 (2020年5月22日 3時) (
レス) id: b7a9992a65 (このIDを非表示/違反報告)
yui(プロフ) - 伊狐さん» ありがとうございます！それは誰が為に 5公開しました。 (2020年5月22日 3時) (レス) id: b7a9992a65 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ - いつも読ませていただいてます。とっても面白いです。パスワードを教えていただきたいです。今後も楽しみみしてます! (2020年5月22日 2時) (レス) id: 7b2d92024a (このIDを非表示/違反報告)
伊狐(プロフ) - この作品が大好きでお気に入りです！パスワード教えてください！これからも応援しています！ (2020年5月22日 2時) (レス) id: c76b536d3e (このIDを非表示/違反報告)
レオナ(プロフ) - ジュンピ落ちがいいです！これからも頑張ってください！ (2020年5月11日 23時) (レス) id: 4de243fabb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yui | 作成日時：2020年3月30日 22時
