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目の前の風景が一転する。
『ねぇ、お母さん』
『どうしたの、ハニ？』
『僕って普通じゃないのかな…？』
『……急にどうしたの？』
ジョンハンさんの家らしい場所にはジョンハンさんの母親と、小さい頃のジョンハンさんの姿。
母親似なんだろうなぁ。と思われる小さい頃のジョンハンさんは、料理をする母親の隣に立ち、その様子を眺めがらポツリと言葉を零していた。
『…学校の子達から言われるんだ。みんなから、お前は普通じゃない、って…だから僕は普通じゃないのかなって…"力"が使えるのって、変なことなのかなって…』
『…ハニ』
母親に抱き締められるジョンハンさんは悲しそうで、今にも泣いてしまいそうで。
『ハニは優しいから、そんなこと言われたら悲しいわよね。ごめんね、ハニ…何もしてあげられないお母さんで、ごめんね…』
「………」
ジョンハンさんは昔から、能力のせいで辛く悲しい思いをしてきたんだ。
周りの子達から差別を受け、言葉のナイフで心を抉られ…。
抱きしめ合う親子の姿は、まるで私とオンニのように思えてしまい、私は目を伏せた。
「A、また変わる」
ジスさんがそう言い、また目の前の光景が一転した。
場所は変わらずジョンハンさんの家。
だけど、先程と打って代わり、家の中は誰かに荒らされたように散乱していて、驚く。
「ジスさん、これ…」
「……ハニ、」
ジスさんが、悲痛そうに顔を歪める。
ジスさんの視線の先には身体を小さくさせ、部屋の隅で縮こまっている小さい頃のジョンハンさんの姿が。
リビングにはジョンハンさんの母親と、男性…恐らく父親、だろうか…激しく言い合いをしていた。
『お前があんな化け物を産んだせいだ！』
『ハニは化け物なんかじゃないわ！実の父親である貴方がどうしてそんな事を言えるの！？』
『うるさいうるさいうるさい！！お前が全部悪い！！お前の責任だ！！』
『きゃあっ！！』
叩かれて床に倒れ込む母親の姿に、ジョンハンさんの瞳が揺れ動く。
『おか、あさん…』
『お前はこの世界に生きてちゃいけないんだ…ジョンハン』
呆然とするジョンハンさんの前に、いつの間にか包丁を持つ父親が。
虚ろな瞳でジョンハンさんを見下ろし、右手を振り上げる。
「ジョンハンさん！！」
『ハニ！！』
私の声と、母親の声が重なった。
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yui(プロフ) - ルカさん» ありがとうございます！それは誰が為に 5公開しました。 (2020年5月22日 3時) (
レス) id: b7a9992a65 (このIDを非表示/違反報告)
yui(プロフ) - 伊狐さん» ありがとうございます！それは誰が為に 5公開しました。 (2020年5月22日 3時) (レス) id: b7a9992a65 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ - いつも読ませていただいてます。とっても面白いです。パスワードを教えていただきたいです。今後も楽しみみしてます! (2020年5月22日 2時) (レス) id: 7b2d92024a (このIDを非表示/違反報告)
伊狐(プロフ) - この作品が大好きでお気に入りです！パスワード教えてください！これからも応援しています！ (2020年5月22日 2時) (レス) id: c76b536d3e (このIDを非表示/違反報告)
レオナ(プロフ) - ジュンピ落ちがいいです！これからも頑張ってください！ (2020年5月11日 23時) (レス) id: 4de243fabb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yui | 作成日時：2020年3月30日 22時
