検索窓
今日:3 hit、昨日:4 hit、合計:136,621 hit

153 ページ3

??? side


「もういいの…?」



一部始終を見ていた僕は首を傾げた。



「別にいいよ。あの人の能力は特に使い道ないし」


シュランはそう言いながらも、酷く傷付いたような表情をしていた。

そんな顔をするくらいなら殺さなければ良かったのに。

シュランはスイランを憎んでいる。
実の母であるが、その気持ちは強いみたいで。


「そいつ担いでよ、ジョングク」

「了解」


指示通り倒れ込んでいる男を担ぎ、俺は歩きだしていたシュランを追う。


「ジョングクは先に帰ってて。私も色々片付けたらそっちに行くから」

「了解」

「…君さぁ、少しは人間味持とうよ。少しも笑いもしないし、ロボットかと思っちゃう」

「…難しい」


シュランから怪訝そうにそう言われるが、それに関してはどうしようも出来ない。

昔はよく笑っていた気がするけど…。



『お前コロコロ表情変わって忙しい奴』



そう言って笑う、四角い口がいつも印象的で、俺はヒョンに付いて回っていた。

楽しかった、ヒョンといるのが。
悲しかった、ヒョンが苦しんでいるのが。


それなのに今じゃあ、笑い方どころか、泣き方も、喜び方も、悲しみ方も…全てがよくわからなくなった。


「(…ヒョンがいなくなってから、全部)」



俺は失くした。




「ジョングク」



名前を呼ばれ、シュランを見る。



「私達は"あの方"の為に存在してるんだ。わかってるよね?」


「うん…わかってる」



今更、そんなことを言われなくても。


"あの方"は俺達にとって絶対的存在だし、"あの方"の理想の世界が俺達にとっても望む世界だ。





「(辛い世界はもう少しで終わる…)」






そんな世界になれば俺は。




またヒョンと会えるかな。

154→←152



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (154 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
339人がお気に入り
設定タグ:SEVENTEEN , セブチ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

yui(プロフ) - ルカさん» ありがとうございます!それは誰が為に 5公開しました。 (2020年5月22日 3時) (レス) id: b7a9992a65 (このIDを非表示/違反報告)
yui(プロフ) - 伊狐さん» ありがとうございます!それは誰が為に 5公開しました。 (2020年5月22日 3時) (レス) id: b7a9992a65 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ - いつも読ませていただいてます。とっても面白いです。パスワードを教えていただきたいです。今後も楽しみみしてます! (2020年5月22日 2時) (レス) id: 7b2d92024a (このIDを非表示/違反報告)
伊狐(プロフ) - この作品が大好きでお気に入りです!パスワード教えてください!これからも応援しています! (2020年5月22日 2時) (レス) id: c76b536d3e (このIDを非表示/違反報告)
レオナ(プロフ) - ジュンピ落ちがいいです!これからも頑張ってください! (2020年5月11日 23時) (レス) id: 4de243fabb (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:yui | 作成日時:2020年3月30日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。