107 ページ7
「奴らは僕達能力者を、ただの"物"だとしか思ってない。非道な奴らだよ」
過去を思い出すように、目を細めるミョンホくんの表情は、怒りではなく悲しみだった。
自分と同じような被害者をこれ以上出したくないミョンホくんは、多くの人を助ける為に組織へと加入を決めたらしい。
「もしジュニヒョンがそいつらと繋がってるんだったら…僕が止めなきゃ」
私を見つめてくるミョンホくんの眼差しは、とても強く。
あぁ…私はこういうのに弱いんだなぁ。と実感をしてしまう。
「…私、役に立たないかもよ？能力は相変わらず、自在に使えないし」
「Aが行けば、きっとジュニヒョンは無視出来ないよ」
「そうかなぁ…？」
若干不安気に首を傾げる私にミョンホくんは、まさか本当に気付いてないの？と少し驚いてるような呆れてるような、なんとも複雑な表情だ。
その様子に唇をへの字に曲げ、何が？と訊く。
「鈍感過ぎるのも罪だね…」
「え？なんて？」
「…ううん、なんでもない」
ミョンホくんの呟きは私には聞こえず、そして曖昧にはぐらかされた。
「問題は中国行きの飛行機のチケットの入手なんだけど」
「うーん…組織になるべくバレないようするには、ネット関係だとアウトだよね。ジフンさんにバレる可能性が高いし。待機命令が出てるから簡単に外にも行けないし…」
なんだよ。こんなとこで、躓くなんて。
行動が制限されるって、こんなにも面倒だとは。
決まったのならば直ぐに行動あるのみ、なのに。
「組織の人間じゃなくて、尚且つ組織に出入り出来る人に頼めれば一番足がつかないし、時間も上手く稼げるはず」
「いやいや…ミョンホくん。そんな都合のいい人…」
と、私はそこまで考えて、あっ。と、ある人物が頭に浮かび上がる。
「まさか、いるの？」
「都合がいい、はちょっと語弊があるけど、なんとかしてくれそうな人！」
ぱちくり、と瞳を瞬かせるミョンホくんに私は力強く頷く。
携帯を取り出し、数少ない電話帳に登録されたその人の名前を探しだして、私はその人へとすぐに電話を掛けた。
数秒のコール音の後低い声で、もしもし。と出たその人に、私は内心ガッツポーズを決める。
「ウォヌくん。ちょっと頼みがあるんだけど、いいかな？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 569人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レン(プロフ) - 今日からうちの子は改名してホシくんです！笑笑メスですけど笑笑 (2020年3月16日 17時) (
レス) id: 7ddd2a9a14 (このIDを非表示/違反報告)
yui(プロフ) - レンさん» ポメラニアン飼ってるんですね！羨ましいです〜！もうそれはポメホシくんなので盛大に可愛がってあげましょう！^ - ^ (2020年3月14日 19時) (レス) id: b3fbbcd754 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - めちゃくちゃ似合います！ふわふわしてチョコチョコしてる感じが！！← うちでもポメラニアン飼ってるので今日からホシくんだと思うことにします！笑笑 (2020年3月13日 14時) (レス) id: 7ddd2a9a14 (このIDを非表示/違反報告)
yui(プロフ) - レンさん» コメントありがとうございます！勝手ながらホシくんは絶対にポメラニアンが似合うなと、オタク心が疼いてしまいました。これからもポメホシくんをどうぞよろしくお願いします！！ (2020年3月10日 21時) (レス) id: b3fbbcd754 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - ぽ、ポメラニアンになるホシくん…無理可愛すぎる… (2020年3月9日 20時) (レス) id: 7ddd2a9a14 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：yu-i | 作成日時：2019年12月8日 20時
