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「どうぞ」
「ありがとう」
スンチョルさんが上からの呼び出しから解放されたのは夜も更けた頃だった。
疲れきった表情を浮かべるスンチョルさんに私はコーヒーを渡す。
「私のせいで…すみませんでした」
「んー…俺にも落ち度があるし、気にしなくていいよ」
夜の休憩室には私とスンチョルさんしかいない。
至福の時と言わんばかりにコーヒーを飲むスンチョルさんに、お好きなんですか？と訊ねた。
「ジョンハンからはカフェイン中毒者だって言われてる」
「それはよっぽどですね…」
ジョンハンさんの呆れた顔が目に浮かぶ。
コーヒーは飲めるが、美味しいとは思えない私はまだ味覚が子供なんだろうか。
苦っ。と砂糖とミルクを追加する私にスンチョルさんが、それでどうだった？といつもの優しい笑みで問い掛けてきた。
その問い掛けが何を指しているのか、私には理解出来た。
「ウォヌくんのことですよね」
「察しがいいね」
「…ジョンハンさんにも同じことを言いましたが、ウォヌくんを捕まえる必要なんて、ないかと思います」
「うん」
スンチョルさんは何も言わずただ頷く。
「あの工事現場の事故、ウォヌくんがいなかったら恐らく死人が出ていてもおかしくはなかったです。現に私も考え無しに突っ走った結果ウォヌくんに助けられました」
マグカップの淵をなぞる私は、でも…。と口篭る。
ミルクと砂糖を多く入れたそれは最早コーヒーではなかった。
「ノラ同士の争いのせいで被害を負った人々がいるのも確かです」
「そっか。Aちゃんはどうしたい？意見を聞きたいな」
「……私は」
あの時ああしていれば。なんて思い、したくない。
何が正しいかなんて神様でもないのだからわかるわけもない。
ただ私は、私に正直に生きてて欲しいだけ。
「ウォヌくんともう一度会わせて下さい」
正直に生きた結果は、きっと後悔なんてしないのだから。
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yu-i(プロフ) - ひづるさん» コメントありがとうございます！もしかしたらア○パンマンのアンパンチで記憶が飛ぶ可能性があるのでは…？と一瞬思ってしまいました(笑)でも確かに流石に顔は消すことは出来ないですよね。 (2019年9月18日 6時) (
レス) id: a70fd5c8f2 (このIDを非表示/違反報告)
ひづる - へー！スングァンって人の記憶任せるの！？さっすがアンパンまn…※あんぱんマンは人の顔を消すことができないと思います☆ (2019年9月17日 23時) (レス) id: 522681dc38 (このIDを非表示/違反報告)
yu-i(プロフ) - (名前)レンさん» コメントありがとうございます！ジュンくんは優しさの塊として表現出来ればいいなぁと思いながら書いてます。これからも主人公に甘いジュンくんをよろしくお願いします。 (2019年9月12日 11時) (レス) id: 1690acf068 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)レン(プロフ) - この作品すごく好きです〜！じゅんぴ優しくてきゅんきゅんする〜！！ (2019年9月11日 21時) (レス) id: 7ddd2a9a14 (このIDを非表示/違反報告)
yu-i(プロフ) - 相田さん» コメントありがとうございます！面白いと言ってもらえてとても嬉しいです。スンチョルさんようやく登場出来ました。今後の彼の活躍を楽しみにしていて下さい。 (2019年9月6日 6時) (レス) id: 1690acf068 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yui | 作成日時：2019年7月28日 13時
