3 ページ3
私を育ててくれた親代わりの人はよくこう言ってた。
困った人がいたら助けること。
心優しい人になりなさい、と。
はてさて。
この状況はどうすべきかな？
「……っう…」
窓ガラスをぶち破ってきたその人は小さく呻き声をあげていた。
あれ、ここ2階だよね？
いや、まずそんなの今はどうでもいいや。
突然のことで上手く状況が理解出来ていない私は恐る恐る倒れてる人に近付く。
「…あ、あの〜」
「………っ！」
その人は弾かれた様に顔を上げた。
柔らかそうな茶色の髪に綺麗な顔をした男…の人？
「なんで人が…」
まるで私がここにいるのが信じられないという表情で見てくるその人の顔には無数の切り傷などがあり痛々しかった。
綺麗な顔が台無しである。
「えっと、救急車呼びますね」
「待て！！」
制止を掛けられ思わず足を止めた。
振り返ったタイミングとその人が低めの姿勢で私に突進してくるタイミングがあまりにもジャストで、腹からその人を受け止めた私は、ぐぇ！という変な声と共にその人と一緒に床に倒れ込む。
次の瞬間だった。
鋭利な音と共にデスクが真っ二つに割れた。
「な、なに！？」
「静かにしろ」
「…んぐ、ぐぅ！」
私に覆い被さるその人から口を塞がれた。
何この状況。わけわかんない。
「スンチョラ、建物内に一般人がいた。
至急応援を寄越せ。は？俺？馬鹿か。くだらねー心配するぐらいだったら早く助けに来いよ」
綺麗なお顔で軽く悪態をつくその人のギャップよりも床に頭ぶつけるわ、さっきのタックルで腹痛いわで踏んだり蹴ったりの私は軽く天に召され掛けていた。
私今日頑張ったのに…神よこの仕打ちはなんだ。
耳についてる小型の通信機で短くやり取りをした後、その人は小さく舌打ちをした。
「あぁ、くそっ…」
「(…こわっ…)」
距離が近くてドキドキする。
なんて少女漫画的展開ありえないわ。
こちとら早く家に帰ってベッドにダイブしたいんだが。
床にダイブなんてしたくなかったんだが。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 379人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SEVENTEEN」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
yu-i(プロフ) - ひづるさん» コメントありがとうございます！もしかしたらア○パンマンのアンパンチで記憶が飛ぶ可能性があるのでは…？と一瞬思ってしまいました(笑)でも確かに流石に顔は消すことは出来ないですよね。 (2019年9月18日 6時) (
レス) id: a70fd5c8f2 (このIDを非表示/違反報告)
ひづる - へー！スングァンって人の記憶任せるの！？さっすがアンパンまn…※あんぱんマンは人の顔を消すことができないと思います☆ (2019年9月17日 23時) (レス) id: 522681dc38 (このIDを非表示/違反報告)
yu-i(プロフ) - (名前)レンさん» コメントありがとうございます！ジュンくんは優しさの塊として表現出来ればいいなぁと思いながら書いてます。これからも主人公に甘いジュンくんをよろしくお願いします。 (2019年9月12日 11時) (レス) id: 1690acf068 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)レン(プロフ) - この作品すごく好きです〜！じゅんぴ優しくてきゅんきゅんする〜！！ (2019年9月11日 21時) (レス) id: 7ddd2a9a14 (このIDを非表示/違反報告)
yu-i(プロフ) - 相田さん» コメントありがとうございます！面白いと言ってもらえてとても嬉しいです。スンチョルさんようやく登場出来ました。今後の彼の活躍を楽しみにしていて下さい。 (2019年9月6日 6時) (レス) id: 1690acf068 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：yui | 作成日時：2019年7月28日 13時
