32話 ページ12
「因みに国木田君、Aは私の恋人だから、手を出さないでくれたまえよ」
「はあっ!?」
こいつとこの娘が……恋人だとっ!?
「A、多分国木田君は彼女が居ない。そんな人の前で
「俺はそんなことは言わん!」
こ、恋人が居ないというのは本当だが……!
娘……Aは太宰と腕を絡ませ、こちらを見る。
「その哀しそうな目をやめろ!」
『そんな目してませんよ!』
ん゛んっ、全く……
「それで、2人は何故この探偵社に?ここは請えば入れるような寺子屋ではないぞ」
「それがねぇ、2人して無職ですることもなくて呑み屋に居たら、たまたま隣合ったおじさんと意気投合しちゃって、飲み比べで勝ったら仕事を斡旋してやるわいって言うもんだから冗談の積もりで勝負したら、勝っちゃって」
『太宰さん格好良かったですよ』
Aがにこにこと笑う。おい、こいつ未成年だよな?
それよりも誰だそのおっさん。
「その方は異能特務課の種田長官だ。先日来訪され、宜しく頼むと挨拶されていった」
社長が真顔で出した名前に、俺は息が止まりそうになった。
種田長官といえば、一般には知られていない国の機関の重役だ。
「お世話になります」
『センパイ♪』
俺の不安を知ってか知らずか、リア充新入社員は微笑んだ。
そして、太宰、Aと組んで3日目。
俺の胃に早くも穴が開きそうだ。
太宰はすぐ入水だと言って飛び込む、酒場で呑む、美女を口説く、しかもAの隣で。そんな風に俺の予定を乱し続けた。
Aの方は太宰に比べれば幾らかマシではあったがとても真面目とは言えない。
気が付けば太宰と一緒に行方不明、すぐいちゃいちゃする……否、太宰にくっつかれている、でも嫌がらない、入水は止めない、隣で彼氏が美女を口説くのを横目で見てるだけ。
階下の喫茶店で太宰が女給の手を取って「美しい」と言っているのをちらりと見ただけで止めもしないAを見た時は「お前は本当にあいつの恋人なのか」と言いたくなった。
全く……これからの俺の胃が心配だ。まだ数日だというのに既にこんなに疲れ果てている……
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きの(プロフ) - そうでしたか…教えて下さり有難う御座います。此れからも更新頑張って下さい (2018年10月1日 8時) (レス) id: e253f59a3b (このIDを非表示/違反報告)
風寧 - S&Gさん» 読んでいただいてありがとうございます。申し訳ありませんが、やつがれちゃんの方は諸事情により公開を一旦やめておりまして……すみません (2018年10月1日 0時) (レス) id: 19604f2ea5 (このIDを非表示/違反報告)
風寧 - きのさん» 読んでいただいてありがとうございます。申し訳ありませんが、やつがれちゃんの方は諸事情により公開を一旦やめておりまして……すみません (2018年10月1日 0時) (レス) id: 19604f2ea5 (このIDを非表示/違反報告)
S&G(プロフ) - やつがれちゃんちの末っ子も読ませていただいています。パスワードがかかっているので教えていたけませんでしょうか (2018年9月22日 15時) (レス) id: 176a693eed (このIDを非表示/違反報告)
きの(プロフ) - やつがれちゃんちの末っ子の方も読ませて貰ってます!何方もとても面白いです!此れは私情なのですが やつがれちゃんちの末っ子の方のパスワードがわからないので教えて頂けないでしょうか?此れからも更新頑張ってください! (2018年9月22日 0時) (レス) id: e253f59a3b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:風寧 | 作成日時:2018年5月7日 22時