お馬さんと紅一点 (ページ8)

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『ドギョマー』
「んー？」

諦めて、隣の部屋をノックすればすぐのお返事、すぐのドアオープン。

「あれ、なんか久しぶりに見た気がする」
『うん、この一週間、ミンギュとばっかいた自信ある』
「なんか…ドラマ？」
『そー。ちょっと怖いやつなんだけど、ミンギュが1話分先に見ちゃったっていうから…』
「一緒に見ようか？」
『うん…でもソクミニも怖がり、』
「いや、そのドラマは見たから大丈夫(笑)」

どうぞ〜なんてお部屋に招かれて、ベッドの下に座ってドラマ鑑賞会。
やっぱり絶妙に怖くて、めちゃくちゃ体に力はいる、これ。

「…大丈夫？(笑)」
『うん』
「強ばってるよ」
『手繋いでください…』
「よろこんで〜」

肩が触れるほど近くに来てくれて、暖かい手に右手が包まれれば少し和らぐ。怖いのには変わりないので相変わらずビクビクしてますけども。

『……もう毎回これ精神削って見てる…』
「やめればいいのに(笑)」
『続きが気になるわけですよ…』

長い1時間が終わって、一息つけば眉を下げて笑うソクミニが髪を撫でてくれる。

『手繋いでてくれてありがとう』
「うん」
『ミンギュは途中で握り潰す勢いで力込めてくるけど、ソクミニはやらないから好き』
「……ミンギュともこうして見てるの？」
『じゃなきゃ見れないもん』

しかもあの人容赦ないから。マジで、痛い。毎日お返しにデコピンしてる。
もう遅い時間だし、お邪魔しました、と伝えようとして彼が腕を広げていることに気づく。

『？？？』
「ハグしよう」
『？うん』

ぎゅっと抱きしめられて、彼の香りに包まれる。
香水……はこんな時間に付けないだろうから、柔軟剤？変えた？
とかどうでもいいことを考えている間も離れないから、随分と長いな。

『ソクミンさーん』
「………A、嫉妬って言葉知ってる？」
『私を子どもだと思ってる？』
「…最近、ミンギュとばっかいるから……妬くんだけど」
『え？』
「待ってごめん忘れて」

聞き返した言葉はすぐに否定されて、あれよあれよと部屋の外へと導かれる。

『え、ソクミナ、』
「お願い、忘れて、ごめん、おやすみ！」
『えぇ…』

そんなに言われてしまったら、流そうと思った言葉も流せなくなる。
とりあえず、明日からは手を繋がないで見ようと思う。