お馬さんと紅一点 (ページ12)

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優しくない内に入らないでしょう、これ。
何みたい？なんて選択権までくれるんだから。
なんとなく、そのまま流れてたバラエティ番組を見て、たまに息が出来なくなるほど笑って。

『あーーーーーーーダメだ、しんどい』
「そんな笑ってるの久しぶりに見た(笑)」
『なにこれ、すごい面白いんだけど？』

今度、スングァナと見よう。毎週やってるやつなのかな？
CMの合間でネット検索して、スクショをスングァニに送ればすぐつく既読に毎回驚く。なんでこんな早いの？(笑)

「………ちゃぎや？」
『、びっ、くりした』

変なスタンプで返信してくるスングァニに笑ってたら、急に耳元で声がして肩が跳ねる。
増してやワードチョイスがおかしいし、お腹に回ってた手がスマホを取り上げていくし。

「僕と一緒にいるのに男にメールしてたら妬いちゃうでしょ」
『今日ソクミニ、変だね？』
「ちゃぎやのせいだね」
『、ちゃぎやってやめて』

しかもさっきから、絶対わざと耳元で話してるもん、この人。
抵抗の意味を満載に込めて、首元にいらっしゃる彼に軽く頭突きという名の攻撃をお見舞い。

「わ、」
『変なソクミニ、やだ』
「なんで？ドキドキしてくれた？」
『しないけど』
「ほんと？」

手首を取られて、後ろから覗き込まれるように見られたら、そりゃ……そりゃ、。

「ちゃぎや？」
『、やだ』
「かわいい」

この人、こんなことするの？なに？
神様の次に優しいドギョムはどこいっちゃったの？

「照れてるAのこと見たら、みんなAのこと好きになっちゃうね」
『待って待って、ちょっとよく分かんないけどもう黙って？』
「やだ。僕のA、すっごい可愛いね？」
『ちょっ……と、もう、』
「たまにはいいかなーって」
『なにが…？いつものソクミナがいいよ…』

なんか魔法にでもかかってるんじゃないかと思って、少し横を向けば、ちょうど覗き込んできたせいで、ばっちり目が合ってしまった。

「いつもの僕もこういうことしたいって思ってるって言ったら？」
『、嘘だもん』
「我慢してるけど、Aのこと大好きすぎてまたしちゃうかも」

少し笑って首を傾げるこの人の言うことなすこと全部、夢ならいいのに。
深夜テンションで言ってるんだと思う、そうじゃないと話にならない。
とは思いつつも、次の日、変に意識してしまって＂ごめんってばー＂なんていつも通りのドギョムに追いかけられた。