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そう思ったのに、
「なんで、ダメでしょ」
『え?』
「なに逃げられると思ってんの」
なぜ逃がさないと思ってるの?
扉を開ける直前で引っ張られた体は簡単にひょんの腕の中に収まった。
見上げれば不貞腐れたような顔で見下ろされて、理解不能。
『……え、ひょん』
「だから、おっぱ」
『やだよ、恥ずかしいもん』
「お前の恥ずかしいとか関係ない、早く」
嘘、ジャイアンなの?ここで?今?
くるりと回転させられて向き合ってしまえば、それはもうとてつもなく。
『……恥ずかしいから無理だって』
「はーやーく」
…聞いてないし。
言わなきゃ逃がしてくれないのは分かってるけど、なんか恥ずかしい。
だって、私の聞くおっぱはほとんどがドラマの中で彼氏彼女間での呼び方だから。穴があくほどじっと私を見つめてくる彼を少しそういう風に捉えてしまいそうで、恥ずかしい。
『…はに……おっ…ぱ』
「え?なに?」
『はにおっぱ……むり、』
ほらやっぱり恥ずかしい。
とんでもなく顔が熱くなるのを感じてしまって、思わず胸に顔を埋める。
んー、なんて呼ばせといて意味不明な反応をしながら、ふわふわ髪を撫でてくるこの人は天使と呼ばれているらしい。
「うん、やっぱやめた」
『はぁ…?』
「俺が想像以上に胸きゅんしたわ」
『散々振り回しといて…』
「マンネ〜はにへ〜〜」
私からしたら、兄妹の関係ではあるけれど。
「前なら平気だったのに。お前いつからそんな可愛くなったの?」
『もう黙ってください』
時々、有り得ないくらいドキドキさせてくる人。
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作者名:風 | 作成日時:2022年3月4日 0時