セブチの姫と紅一点 (ページ5)

今日:1 hit、昨日:12 hit、合計:30,155 hit

. ページ5

.

『なに買おうかなー』
「飲みきらないんだから小さいのにしなね」
『一緒に飲む？』
「僕さっき買った」

水にしようか、お茶にしようか、いっそジュース。
炭酸にしたら、この間、ハンソリに思いっきり振られたからやめよう。
え、あの時なんで振ったんだろう？
すごい楽しそうに振って、私が開けて事故になってるの見て＂わーお、やばいね＂って言ってたけど、原因作ったの自分じゃん？

『すんぐぁなーお待たせ〜』
「ちょっと待って」

少し離れたところで待っててくれた彼を振り向けば、自撮り中。
抜かりなさすぎる。そして邪魔したい。

『どーん』
「お願い、1枚だけ撮らせて。1枚だけ！」
『やだー』
「も〜〜〜」

別に理由はないけど。
スングァニが撮るタイミングでブレて映ってみたり、彼の腕を揺らしてみたり。
そんなこんなやってたら、特大ため息が聞こえまして。

「あーちょっとほんとに一回、」
『わ、』
「もうこれでいいや」

目の前にスングァニが現れたと思ったら、ぐっと引き寄せられて鼻がスングァニの肩に激突。
痛くはないけどびっくりした……っていうか、え？どういう？

「これまたWeverseでカラットに突っ込まれるわ…」
『すんぐぁな』
「Aが邪魔してくるから」

背中越しにカシャカシャと音がして、この抱きしめてる状態で撮ってるの？

『……え、それあげるの？』
「しょうがないもん」
『邪魔しないからもう一回撮んなよ』
「別に大丈夫でしょ」
『いや…』
「なに？僕にハグされてる写真あがるのが恥ずかしいの？」
『、そういわれたら恥ずかしいじゃん…』
「じゃあ今度から邪魔しないでね」

＂まったく困ったちゃんなんだから＂なんてお母さんみたいなことを言いながら、先に歩くスングァニの肩が意外と広かったことを思い出して、とんでもなく気まずい、勝手に。

その後あがった写真を見たカラットちゃん達が、誰〜って聞くのに対して＂世界で一番かわいい人〜＂なんて返してるの見ちゃったその日の夜は、中々寝れなかった。