セブチの姫と紅一点 (ページ2)

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最近、私が好きなこと。その1。

『わ、すごい！見て！新作のお菓子！』
「それ先週もあったじゃん…」
『え、なかったよ、それこっち』
「あ、ほんとだ。え、嘘、新作じゃん！」

毎週のように新しくなるコンビニのお菓子のラインナップを眺めること。
最近、私が好きなこと。その2。

「あーマジでよく気づくね」
『すごいでしょ』
「うん。僕なら全く違いに気づけない」
『もっと褒めて』
「すごいすごい」

ちょっと呆れながらも、隣で控えめに手をぱちぱちするスングァナに褒められること。
最近、私が好きなこと。その3。

『今週はどれにしようかな〜』
「この後歩くんだから小さいのにしなさいよ」
『これとか？』
「小さいのって言ってんのになんで大袋のスナック菓子選ぶかな…」
『嘘だって(笑)』
「これは？小さいし、新作だって」
『よし、それにしよう』

家に帰ってからスングァナと食べるお菓子を選ぶこと。
最近、私が好きなこと。その4。

『なんかあったかくなってきた』
「あったかくはないでしょ」
『お散歩に適した気温』
「流石にまだ寒いから」

スングァナとの夜のお散歩。
キラキラ光る街並みは、残業の人達による光なのかと思うと少し気の毒だけれど。…まぁ私もそのひとつになる日だってあるし。うんうん。

『そのチョコ美味しいのかな』
「ピスタチオといちごだって」
『ピスタチオ好きじゃない』
「知ってる。だからまさか買うなんて思わないじゃん」
『いちごとならいけるかなって』
「無理だと思うけど」

あったかいと思った割には風が強くて、冷たい。
＂寒い＂と口に出したら、だから言ったじゃんって言われそうだから言わないけど。マフラー持ってくれば良かったかな。

「なに、寒いの？」
『嘘、エスパー？』
「いや肩上げてるから」
『あぁ……スングァニが私の心読めるようになったのかと思った』
「なに言ってんだか」
『ダメだよ、さっきまで、最近好きなことの中にスングァニしかいないとか心読まれてたら恥ずかしいこと考えてたから」
「なにそれ？え、しかも今言っちゃってるじゃん」
『え、ほんとだ。待って恥ずかしい』

はたから見たらアホみたいなやり取りも私たちの中では当たり前。
読まれてたら恥ずかしいことを本人に伝えるという失態。
言うほど恥ずかしくなかったのに、隣で声を出して笑う彼のせいで徐々に羞恥が。