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ははは、なんて楽しそうに笑っていらっしゃいますけど、覚えてない方は気楽でいいですね？
私なんて、恥ずかしさでこっから数日はウォヌの顔見れないのに。
「とりあえず、時間やばいから起きろ」
『ウォヌがいなくなったらね』
「そう言ってお前は寝るからダメ」
『寝ないってば……』
なんだろう。なんか、イライラしてきた。
覚えてないウォヌ、イライラする。覚えられてても、嫌だけど。
もういいよ、いいもん。なかったことにしよう。
『はいはい、起きます起きます』
なんなら先に部屋から出てやろうと、ベッドから降りて顔も見ずにドアに向かおうとしたら、後ろから引っ張られて、座った。
『………まだ酔ってんの？』
ウォヌの膝の上に。少し下から見上げてくる彼は、前向き。
その膝の上に座る私は横向き。なぜか必然と近い気がするこの構図。
「正解は？」
『なにが、？』
「俺の昨日の締め」
『だから……』
ドアに頭ぶつけてたよって続けようとしたのに、耳に触れてきた手が昨日を思い出させて、言葉に詰まってしまった。
「ホシにあんな可愛い顔しないで」
『…………もうほんとにやだ、』
覚えてるんじゃん、この人。
昨日と違って真っ直ぐ見つめられて、そう。
どこを見たらいいのかも、どうしたらいいのかも分からなくて、仕方なく助けを求める意味で目を合わせたら、少し上がる口角。
「恥ずい」
『私はもっと恥ずいんですけど…？』
「だってお前は言わなきゃ伝わらないし。言ったところで伝わった気もしないけど」
『もう朝からほんとやだ……ウォヌなんて知らない』
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作者名：風 | 作成日時：2022年3月3日 22時
