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「俺も2人のランチに入れて」
『…ジャニヒョン？』
「あっちで食べよう。Aは真ん中だよ」
Aのもう片方の手を握ったヒョンが、俺たちを連れてソファーのあるところまで歩いて行く。Aがどこかに行かないように3人でくっついて座ったソファーは随分と横にスペースがあるけれど、それでも俺とヒョンは離れようとしなかった。
「…暑くないですか？」
「ううん、大丈夫」
「わたしは大丈夫じゃないんですけど」
『あ、タイマー鳴った』
「よし、食べよう」
はいどうぞとAに箸を渡したヒョンが、にっこりとAを見て笑う。お腹いっぱいになったら俺が食べるからと付け足して、やっとAが一口だけ口に入れた。もぐもぐと口を動かして、また箸を進めたから、ジャニヒョンはそっと頭を撫でる。
「やっぱりお腹空いてたんだ」
「…分かってて来たんですか」
「Aはわかりやすいからね」
『え！さっき食べたっていうのは嘘？』
「さっき食べたのはゼリーでしょ」
「マーク、わたしちゃんと食べたから、今見たよね？」
ほら、見たよね？とラーメンを見せるAが面白くて、ついたくさん笑ってしまう。そのあと結局全部ラーメンを食べたAが、眠いと言ってソファーにもたれかかったから、嬉しくて頬が緩んでしまった。壁にかかる時計を見て、Aがこっちを向く。久しぶりに見た、眠くてとろけちゃいそうな目で。
「マーク、20分後に起こしてね」
『わかった！』
「おやすみ」
「おやすみ！」
バレないようにこっそりと手を握ったのに、ぎゅっと握り返されて、Aの口が少しだけ笑っている。そのうち小さく寝息が聞こえるから、ジャニヒョンと目を合わせた。
『寝たよね？』
「うん、寝たね」
『A、大丈夫だよね』
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作者名：yom | 作成日時：2021年10月3日 16時
