�� ページ47
○
「久しぶりに会えて嬉しいなあ」
『僕も嬉しいです』
「宿舎最近行けてないから」
『ヌナはすぐ、ヒョンたちに捕まっちゃうけど』
「あはは、確かに」
ヌナはよく俺たちの宿舎に来ているけれど、クンヒョンとテンヒョンに最近はちゃんと食べてるかとか、よく寝てるかとか、まるで俺たちよりも小さい子みたいに世話を焼かれて、うんうんと頷きながらご飯を食べて、ウィンウィニヒョンがいる時は部屋でずっと話をしているし、実際俺と過ごす時間は短いのかもしれない。小さく欠伸をする姿も、初めて見た。
会社の人とすれ違って、珍しい組み合わせだねと言われて、でしょう？とヌナが俺と距離を詰める。ヌナが年下の俺たちに向ける愛情は惜しみないけれど、いざ自分にそう接されると、びっくりして心臓が止まりそうになってしまった。
「あ！Aヌナ！僕クリアできたよ！」
「本当？わたしずっと出来なくて」
「ヌナゲーム苦手なの？」
「うん、自分だとわからないんだけど」
『…可愛い』
「ん？」
『ううん、なんでもないです』
食べようと言いながら、実はカムバックのために少し制限をしているらしい。それでもチョコレートってやめられないよねと話すのも、初めて見た。今日はたくさん、ヌナと過ごせた気がする。
「あ、いた〜」
「オッパ、久しぶりだね」
「さっきAに連絡したんだけど」
「ヤンヤン、わたしの携帯に何か来てた？」
「うん、」
「何、ヤンヤンのおもちゃになったの？」
テンヒョンがヌナの隣に座って、ちゃんと食べてる？と聞くのはいつもの風景だ。オッパたちも忙しいからちゃんと食べてる？と返したヌナがヤンヤンの方に逃げようとするから、ヒョンがヌナのお皿にご飯を盛る。また変に減量するのやめなと怒られたヌナが、なんだか微妙な顔をした。
「この前はほら、色々あったから」
「鍛えるんでしょ、尚更ちゃんと食べないと」
『ヌナ鍛えてるんですか？』
「ちょっと今度の曲がね」
『僕も鍛えてるんですよ』
「本当？じゃあ今度一緒に行こうね」
顔を上げたヒョンがにっこりと笑っているけれど、俺はまだ固まったままだ。良かったね〜とヘンドリーは笑って、なんでそんな顔してるのとヤンヤンがこっちを向いた。是非！と言った声が思っていたよりも大きくて、自分でもびっくりしてしまった。でもヌナが笑っていたから、なんでもいいや。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 626人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：yom | 作成日時：2021年10月3日 16時
