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「マークとA、同い年だっけ」
『…だっけ？』
「ううん、俺は99年」
「Aって呼ばれてるからわからなくなっちゃった」
「それってどっちが言ったの？A？」
「マークにヌナって呼ばれるのは違う気がしたんですよね」
『そういうことだったの？』
「そもそもわたし、最初はお兄さんだと思ってたし」
そういえばマークさんって呼ばれてたんだっけ？とヒョンは笑っていたけれど、この話になるとヘチャンがニヤニヤと俺を揶揄うから、とりあえず周りを見渡して、何してるのと聞くAに首を振った。あの時俺もAもまだ小さくて、背だって同じくらいだった。
『俺はその、Aをヘチャニと同い年だと思ってて』
「ほらね、2人とも勘違いしてたんですよ」
「それでマークさんなんて呼ばれて、隣のヘチャニがめちゃくちゃ笑ってた…んだっけ？」
「うん、多分」
「多分？」
「場面は思い出せるんだけど、そこでどうなったかはあんまり覚えてないんですよね」
ヒョンとAが話しているのを聞きながら、その場面を思い出す。ヘチャンが何度も話すからヒョンたちは皆知ってるし、なんならファンの人たちも知っている話だけど、ヘチャンの話は大分脚色されているから、実際どうだったかなんて、2人とも忘れている。ただ、俺とAが2人で勘違いをして、そこから仲良くなったのだから、まあなんでも良いんだけど。
「ヌナ！クリアできた？」
「あっ、ヘチャナごめんね…ヌナ全然出来なくて」
「ううん、僕がまた見つけるね、ヌナが出来るゲーム」
『そんなにAとゲームしたいの？』
「ヌナと一緒にやったらもっと楽しいでしょ」
両手でヘチャンの頬を包んだAが、にっこりと笑いかけるから、ヘチャンがぴったりとくっついた。もし俺が、Aをヌナだと呼んでいたら、こんな風に可愛がられたりしたんだろうか。じっと見つめていた先のヒョンがにやりと笑っていたから慌てて目を逸らしたけれど、伸びてきたAの手が俺の頭に乗る。わしゃわしゃと撫でてから、セットしてもらっていたことを思い出して、2人で笑った。
「マークさん」
『嫌だ、それ』
「うん、マークが良いね」
『Aも、Aが良い』
「……昔と変わらないね」
『思い出したの？』
「ちょっとだけね」
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作者名：yom | 作成日時：2021年10月3日 16時
