ペーパームーン 3 (ページ35)

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このヒョン、いつもは隣にいるのは絶対に自分だと言うように、ぴったりとくっついているのに、今日というか、合同で練習が始まってからは、あまり近くに行くことは無くなっている。その代わりにヘチャニヒョンは絶対にヌナから離れなくて、俺はそうやってヌナを守ってるんだって、そういえばこの前言っていた。

「衣装、やっぱり変更されたんだって」

『衣装？』

「最初はパンツスーツだったのに、やっぱりもうちょっと違う格好させようって」

「ほら、だからAヌナがまた無理する」

俺はAヌナと一緒にお菓子食べたいと言いながら床に倒れ込んだロンジュニヒョンを見て、チョコを食べ終わったジェミニヒョンがそうだねえとゆっくりと返事をする。ぎゅっと膝を抱えたら、抱えていた袋が音を立てて折り畳まれた。

ヌナの衣装は、どんなのだったんだろう。きっと何を着ても似合うから、たくさん変更されているんだろうな。バレないようにヌナを見ていたのに、ぱちっと目が合ってしまう。隣で倒れているヒョンを見て大丈夫？と口を動かしているから、慌てて首を縦に振る。にこりと笑ってヌナも頷き返してくれるのを見ていたら、僕は閃いてしまった。Aヌナも、ヒョンたちも、楽しくなれそうなことを。

『…パーティーしましょう』

「いつ、誰と、どうやって」

『このステージが終わったら、僕たちがヌナを捕まえて、』

「言い方が物騒だけど、アイデアとしては良いね」

『ロンジュニヒョンがヌナを連れてくるんだよ』

「……俺？」

『その分、ヌナと一緒にいれるじゃないですか』

じっと僕を見ているだけだったロンジュニヒョンが勢い良く起き上がって、僕の頭をぐしゃぐしゃにする。チソンアお前は天才だ！と叫んで、さっきまでが嘘みたいにニコニコと笑っているから、少し頭がぐらっとしたことは言わないことにしよう。ステージまであと少し、楽しみなことが、顔に出てしまうかも。