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メンバーが家族のようですと話すAを、たくさん見てきた。必死に練習をこなして、女の子と歩いているよりも、1人でいることが多かったAが、ご飯を食べていないと言えば一緒に食べて、わからないところがあると言えば一緒に練習をした。
会社のお気に入りだと噂されていようが、そんなことはどうでも良かった。もしAが寂しいと言えば、何処にいても探して一緒にいると昔Aに言った時、Aはただ、大丈夫だよと笑うだけだった。
『俺はAのご両親に会ったことないから、信じなくても良いけど』
「…何ですか」
『もし俺がAの親なら、Aのことが、好きで好きでたまらないと思う』
「……そんなにわたしのこと好きだったの？」
『…例えばっていう話なんだけど』
「うん、知ってる」
ホットミルクを一口飲んで、Aが顔を上げた。出会った頃よりも大人になろうとしているのにこういうときの顔は全く変わらないから、昔のように頭を撫でる。
「お兄さんに伝えてください。出来ることならなんでもしますって」
『…それはなんか、言い方がアレなんだけど』
「ご飯とか、そういう話なんだけど？」
『お、俺も行くからね、2人はダメ』
「最初から3人で行くって思ってますよ」
けらけらと笑って、もう寝ますと言うから部屋を出ようと思ったのに、Aが俺の手を握る。端っこで寝るからと言い始めたのにそこからじっと黙るから、手を引いて俺たちの部屋まで戻る。ひらひらと手を振るジャニヒョンが、おいでとAを手招きした。
「オッパ、これありがとう」
「うん、寝れそう？」
「…あの、やっぱり」
『もうほら、寝るからAはこっち』
俺とジャニヒョンでAを挟んで、勝手にオレンジのライトを消す。黙っていたら、俺とヒョンを呼んでいたAが急に静かになる。窓の外が薄く明るくなる前に、今日になってしまった明日のために、良い夢だけを見るために、少しだけ眠ろう。
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作者名：yom | 作成日時：2021年10月3日 16時
