ペーパームーン 3 (ページ27)

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○

『…えっとその、ヌナ、』

「やっぱり大人になったね」

『え？』

「昔はどうやったら君たちを守れるかって、勝手に必死になってたんだけど、」

『ヌナ、そんなこと思ってたの？』

「ジェノが思うより、わたしは君たちのことを愛してるんだよ」

ありがとうと背中が2回そっと叩かれて、ヌナの体が離れる。携帯がまた鳴って、ヌナがまた走って行く。さっきまで濃いなと思っていたジュースの味が、今飲んだらほとんどわからなかった。

「ジェノ、大丈夫？」

『ジェヒョニヒョン、』

「ん？」

『…本当に、良かったのか分からなくて』

「Aは、きっと何も言われなくてもやってると思うけど」

『…うん』

「でも今は、ジェノに大丈夫って言ってもらいたかったんだよ」

俺よりもねとヒョンが少し拗ねた顔をして、ピザ来たよ〜とヌナが戻ってくる。その後ろからパタパタとチソンが走ってきて、振り返ったヌナがチソンア！と嬉しそうな声で名前を呼んでいる。

「チソンア、ピザ食べる？」

「良いんですか？」

『食べたくて追いかけてきたんじゃないの？』

「あ、ジェノヒョン」

並んで歩く2人を見て、ヒョンがAやっぱり縮んだんじゃないなんて言うから、ヌナがチソンの後ろに隠れる。昔と反対になった目の前の光景は、なんだか胸のあたりがくすぐったくなる。

「チソンアは…こんなだったのに」

「ヌナ、僕もうちょっと大きかったよ」

皆もいたら呼んでおいでと言って、皆が走って来た。僕を押しのけてヌナの隣に座ったロンジュンは、ヌナの手をぎゅっと握る。Aヌナ久しぶりと言いながら、ヌナに頬を撫でられていた。

「Aヌナ、僕たちのカムバ見てくれる？」

「もちろん」

『ロンジュナそこのスプーン取って』

「今Aヌナと話してるから」

「ジェノヒョンどうぞ」

ヌナの顔が、さっきよりも元気になった。2週間後ヌナのステージが発表されて、インターネット上にたくさんの言葉が巡っている。「応援してるね」と送った言葉は、ヌナに真っ直ぐ届いてるかな。