�� ページ43
○JOHNNY
Aの部屋に集まった男たちが、Aを筆頭に慌ただしく動く中で、俺とドヨンは絶対に動かないでとAに言われて、2人とも律儀にそれを守っている。ドヨンの目は、Aを追うのに忙しなく動いているけれど。
『いつA離れ出来るんだろうね』
「ちょっと、怖いこと言わないで」
『でもほら、考えて。Aが大人になってね、』
「ヒョン、Aあれ重くないかな」
『…あれくらいは誰でも持てると思うけど？』
お祝いだからと言って、宿舎に帰ってきたAが俺たちを迎えに来た時、ふわりと、水色のワンピースが空気を含んで風に揺れてヘチャンは口を開けたまま5秒止まった。テイリヒョンはカメラのシャッターを押していたから、俺も後で貰おう。
「オッパたち、動いてないですか？」
『ドヨンイはAをずっと見てたよ』
「Aそれ解ける？紐固くない？」
ケーキの箱を囲むように水色のリボンがかけられて、Aがそれを丁寧に解いていく。テーブルの真ん中に置かれたケーキを見て、Aが満足そうに笑って、早く食べようと皆を呼ぶ。Aの一声でテーブルを囲んで、ドヨンに引っ張られたAが、俺たちの間に座った。
「あの、わたしそっちが良いんだけど…」
「今日は主役2人の言うこと聞くって言ってたじゃん」
「…わたし懐く人間違えたんですかね」
『A、そんなこと言ったらドヨンイが泣いちゃうよ』
もう絶対に離さないと怖い顔をしたドヨンがAの手を握って、わたし何も食べられないじゃんと言うAの目の前にご飯の乗ったスプーンを差し出した。それなら俺のやることも受け入れてもらおうと、Aがテーブルに置いたままのリボンを取って頭にくるりと巻く。頭の上でリボンを作って、ワンピースとお揃いと言えば、嬉しそうにAは笑う。離されたヘチャンがヌナの隣が良い！と駄々をこねるまで、あともう少しだけ、妹を存分に可愛がろう。
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yom(プロフ) - 花藤さん» とても綺麗な言葉で表現していただきありがとうございます…！頑張ります！ (2021年8月15日 11時) (
レス) id: 0ce65e6476 (このIDを非表示/違反報告)
花藤(プロフ) - 淡々とした描写の中にきらりと光るそれぞれの感情と、おだやかな余韻がとっても素敵だと思います。一気に拝見しました。更新とっても大変かと思いますが、応援しています。 (2021年8月15日 2時) (レス) id: d70a6e9ed7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yom | 作成日時：2021年8月10日 18時
