�� ページ41
○CHENLE
ドアを開けた瞬間に、リビングから大きな声が聞こえる。テンヒョンの部屋から出てきたAヌナが、びっくりしながらリビングを見た後、僕の方を見て手を振った。
『わあ、ヌナだ』
「チョンロ元気だった？」
『うん。ヌナ久しぶりだね』
僕たちもヌナも忙しくて、最近はテレビや動画の中で見ることの方が多いヌナの手をぎゅっと握る。手を引かれてリビングまで行けば、ロンジュニヒョンが床に倒れていた。
「ろ、ロンジュナ、どうしたの」
「ヌナ、ほっといて良いよ」
「ロンジュナが勝手に倒れたんだよ」
「Aヌナ…」
ヌナは僕たちみんなに甘いけど、僕たちが、というかヒョンたちがヌナに向ける感情は、一言で言うのは難しい。ここにいない2人のヒョンだって、ヘチャニヒョンはまあ相変わらずだけど、関係ないって思ってるマクヒョンだってあっちにいる時ちゃっかりヌナの隣にいるんだから、こっちのヒョンたちが警戒している1人だったりする。
マネヒョンが僕たちを呼んで、僕はまた玄関に戻る。テンヒョンに後でねと挨拶をしたヌナは、今日も暑いねと空を見上げた。
『ヌナも一緒？』
「うん。ちょっと用があって」
『ヌナはいつも忙しいね』
「それでも合間で君たちに会えるから、わたしはそれが嬉しいんだよ」
ヒョンたちは先に車に行ったのに、ジェミニヒョンはドアを開けてその前に立っていた。僕たちを見つけてヌナと手を繋いだヒョンは、にっこりと笑ってヌナを車に乗せる。さっきの大声の意味が、やっとわかった。
『ヒョン、次は僕がくるまで待っててね』
「それはロンジュニに言っておいて」
『後ろでへこんでるけど？』
「やっぱりパーを出した僕が最強だからね」
ロンジュニヒョンの隣に乗ればチョンロか…と言いながら前のヌナを見つめてるけど、車が動いてから少しして、ヌナが後ろを向いて、僕たちにくれたチョコを大切そうに持つヒョンのことを、僕はとても可愛いと思う。
わたしたち頑張ろうねと言いながら歩いて行ってしまうヌナの姿が見えなくなるまで手を振る僕たちに先生は笑って、A！と声をかける。振り返ったヌナが小さく手を振ったから、その後の僕たちの練習は、1番と言って良いほど気合が入っていた。
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yom(プロフ) - 花藤さん» とても綺麗な言葉で表現していただきありがとうございます…！頑張ります！ (2021年8月15日 11時) (
レス) id: 0ce65e6476 (このIDを非表示/違反報告)
花藤(プロフ) - 淡々とした描写の中にきらりと光るそれぞれの感情と、おだやかな余韻がとっても素敵だと思います。一気に拝見しました。更新とっても大変かと思いますが、応援しています。 (2021年8月15日 2時) (レス) id: d70a6e9ed7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yom | 作成日時：2021年8月10日 18時
