�� ページ17
○
「お、良いところに」
ヌナと会える時間は前よりも増えたけれど、同じグループにいない限り、他の人からヌナのことを聞くことが多かった。概ねヘチャンがペラペラ喋る話に、少し聞く耳を持ってあげているだけだけれど。
ヌナもヌナで、最近のジェノは元気かとか、チソンはちゃんと食べているかとかたくさんの質問があって、それにひとつずつ答えていれば、待っていたエレベーターのドアが開く。
「オッパ、どうしたの？」
「今日はジェミニを連れてるの？」
『今日は？』
「ああ、昨日マークと歩いてる時に会いましたね」
『…マクヒョン、ヌナと手繋ぐの？』
「昨日はちょうど手相の話をしてて」
テヨンイヒョンは僕達をみてにこにこ笑っているけれど、その手には大きな袋を持っていた。ヌナがそれ何ですか？と聞けば、Aもいる？と返ってきた。
「ネットで買ったお菓子の数間違えちゃって」
「あ、今日ドヨンオッパからもらいました」
「もう貰ってた？ジェミニは？」
『ううん、まだ』
「そしたらそっちの宿舎に配ってもらえる？」
『あ、わかりました』
よろしくね〜とヒョンは言ってしまって、受け取った大きな袋を覗く。ヒョンが美味しいと言っていたお菓子がたくさん入っていた。
「じゃあ行こうか…それ重くない？大丈夫？」
『ううん、大丈夫だよ』
「あ、先に宿舎に置いてこようか」
『良いの？』
「久しぶりに弟達に会いたいから」
『…でも、』
「お菓子渡したら、わたし達はご飯食べに行こうね」
やっぱり髪は切って欲しくなくて、この手もずっと離して欲しくないと思った。あとどれくらい経てば、僕はヌナに勝てるのかな。それでも今はまだ、ヌナの可愛い弟でいたいのだ。
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yom(プロフ) - 花藤さん» とても綺麗な言葉で表現していただきありがとうございます…！頑張ります！ (2021年8月15日 11時) (
レス) id: 0ce65e6476 (このIDを非表示/違反報告)
花藤(プロフ) - 淡々とした描写の中にきらりと光るそれぞれの感情と、おだやかな余韻がとっても素敵だと思います。一気に拝見しました。更新とっても大変かと思いますが、応援しています。 (2021年8月15日 2時) (レス) id: d70a6e9ed7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yom | 作成日時：2021年8月10日 18時
