キャンディと風船 ページ16
○JAEMIN
『あ、やっぱりヌナだ』
いちばん小さな練習室を借りようと歩いていたら、ちょうどそこから人が出てきて、見覚えのある服に歩く足を早めた。切るんだと言っていた髪はまだ長くて、なんとなく、切って欲しくはないなと思った。
「練習しに来たの？」
『うん。ヌナは？』
「わたしはご飯食べようかなって思ってたところ」
『それ、一緒に食べてもいい？』
「いいよ。何か食べたいものある？」
いつもはヘチャンがくっついている隣に並んで、手を取ってみたら今日も可愛いねと言って手を握ってくれた。
どうやら赤ちゃん達と呼ばれているらしい僕達は、同じ時期に入ったヌナからしてみれば弟が出来たみたいだとヒョン達に言って、練習で会うと食べ物だったり、飲み物だったり、ドヨンイヒョンにもらったチョコレートだったりをくれて、大きくなるんだよと頭を撫でてくれた。
ヌナは本当に姉みたいだと思ったけれど、それよりはなんか、お母さんみたいだなと思っているのは秘密だ。
『ヌナの食べたいものが食べたい』
「あ、わたしいまこれ食べたくて」
ヌナが見せてくれた携帯の画面には、テンヒョンから送られてきた、会社の近くに最近できたご飯屋さんで、オッパがわたしを置いて行ったのと言うヌナの顔は、ヒョンたちが言う、可愛い妹の顔をしている。
『早く行こう』
「あ、ヘチャンたちも呼ぶ？」
『ううん、今日は僕だけのヌナ』
少しだけ目を丸くしたヌナが、「今日は一段と可愛いけど、良いことあった？」なんて言いながら頬を撫でてくれる。ヌナに会えたことが良いことだって言ったら、ヌナはどんな顔をするんだろう。
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yom(プロフ) - 花藤さん» とても綺麗な言葉で表現していただきありがとうございます…！頑張ります！ (2021年8月15日 11時) (
レス) id: 0ce65e6476 (このIDを非表示/違反報告)
花藤(プロフ) - 淡々とした描写の中にきらりと光るそれぞれの感情と、おだやかな余韻がとっても素敵だと思います。一気に拝見しました。更新とっても大変かと思いますが、応援しています。 (2021年8月15日 2時) (レス) id: d70a6e9ed7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yom | 作成日時：2021年8月10日 18時
