ミルクが溺れる ページ14
○HAECHAN
お昼過ぎに練習が終わって、眠い目を擦りながらエレベーターを降りる。マクヒョンとご飯を食べようと思っていたのにこんな時に限って用事があると先に行ってしまって、昨日夜遅くまでやっていたゲームのおかけで、マネヒョンが喋る声が遠くに聞こえた。
「おかえり」
『テイルヒョン？どこ行くの』
「Aのところ」
ふうん、そっかあと自分でも気が抜けまくっている返事をして、やっとのことでベッドまで辿り着く。ふう、と息を吐いて目を閉じた10秒後、気が付いてしまった。
『ヌナとテイルヒョン？』
何だ。何が気になるんだ。そもそもヌナとヒョンは仲が良かったの？ヌナと2人？他のヒョンもいるのかな。自分が知らない間に、実はたくさん色んなことが起きているのかもしれない。
ヌナに関して何でもかんでも知りたい訳では無いけれど、それでも愛すべき弟として、愛すべき姉のことが気になって仕方がない。数分前にダイブしたベッドで考えても答えなんか見つからなくて、生きてきた中で1番くらいの速さで起き上がる。
『こんなの寝てられるわけないじゃん！』
「うわっびっくりした」
『ヒョンいたの？一緒に行く？』
「どこに？」
『ヌナの密会』
少し含みを持たせれば、ドヨンイヒョンがぐわっと眉間に皺を寄せる。サンダルに足を引っ掛けて、少し離れたヌナの部屋のドアの前に立つ。ヒョンが慌てて走りながら追いついてきて、ドアノブに手をかけない僕を見てまた変な顔をした。
「ヘチャナ？」
『いや、良いのかなって』
「なにが」
『ヌナのこと邪魔しないかなって』
「そもそも何の話なの？密会とか言って」
『…ヒョンにわかるの？弟の気持ちが』
「Aには出来たら来てねって言われたけど…まあいいか」
『…待って！置いていかないで！』
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yom(プロフ) - 花藤さん» とても綺麗な言葉で表現していただきありがとうございます…！頑張ります！ (2021年8月15日 11時) (
レス) id: 0ce65e6476 (このIDを非表示/違反報告)
花藤(プロフ) - 淡々とした描写の中にきらりと光るそれぞれの感情と、おだやかな余韻がとっても素敵だと思います。一気に拝見しました。更新とっても大変かと思いますが、応援しています。 (2021年8月15日 2時) (レス) id: d70a6e9ed7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yom | 作成日時：2021年8月10日 18時
