�� ページ45
○JAEMIN
夢かと思った。部屋の外から聞こえるのは、ヒョンと、ヌナの声だ。手繰り寄せた携帯を見れば時間はまだ朝で、こんな早くにヌナがいるわけない。うん、やっぱり夢かも。
そう思ってもう一度目を閉じて声も聞こえなくなったと思ったのに、何故か部屋のドアが開く。目を開けて確かめようと思ったけれど少しだけ怖かったから、寝返りを打って壁の方に顔を向けた。
「やっぱりまだ寝てるね」
「だってまだ8時だから」
「午後練習だからこの時間しかなくて」
テンヒョンとAヌナの声がする。やっぱり夢じゃないのかも。でもここでいきなり起きてましたなんて言えなくて、バレないように目をぎゅっと瞑った。
「なんかサンタさんみたいだね」
「Aってさ、サンタさんに会いたくて起きてたタイプでしょ」
「…うん」
「それで？ちゃんと会えた？」
「クッキーも用意して待ってたのに、いつの間にか寝ちゃってるんだよね」
小さな頃のヌナの話を聞けるのはとっても嬉しいけれど、寝たフリを続けたままの僕は少しだけ辛かったりする。みんなのところにも置いてこようとヌナが先に行ってしまって、テンヒョンと僕が残される。ヒョンはまだ行かないのかな。
「ジェミナ、起きてるでしょ」
『…バレてた？』
「Aにはバレてないよ」
『わあ、なにこれ』
「Aからだって。ほら、戻ってくるよ」
もう起きていてもいいはずなのに、何故か僕はまた目を閉じて眠ったフリをしてしまった。ヒョンがくすくす笑っているけど、どうかバレないでいて欲しい。
「オッパ何してるの？」
「ジェミニを見てた」
ヌナが可愛いねと呟いて、ヌナの手が、そっと僕の頬を撫でる。うっすらと目を開けたら、ヌナが出ていく後ろ姿が見えた。起きていたのは僕だけかな。なんだか、僕だけ特別を貰ったみたいだ。
「ほら！やっぱりAヌナ来たんだよ！」
「ヒョン知ってるかな」
「おいジェミナ！起きろ！」
その後ロンジュンに揺すり起こされて、チソンがヒョンも貰った？とそれを見せる。時計は9時になっていて、もうヌナはいないんだろう。思わず緩む頬に、ロンジュンの顔が怖くなった。
「ジェミナ、Aヌナに会った？」
『…ううん、寝てた』
「ほんとに？」
『本当に』
「ふうん、まあいいや」
枕に寄りかかって、もう一度プレゼントを見る。ヌナに似た顔のクッキーは、大切だから食べられないかも。
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yom(プロフ) - 花藤さん» とても綺麗な言葉で表現していただきありがとうございます…！頑張ります！ (2021年8月15日 11時) (
レス) id: 0ce65e6476 (このIDを非表示/違反報告)
花藤(プロフ) - 淡々とした描写の中にきらりと光るそれぞれの感情と、おだやかな余韻がとっても素敵だと思います。一気に拝見しました。更新とっても大変かと思いますが、応援しています。 (2021年8月15日 2時) (レス) id: d70a6e9ed7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yom | 作成日時：2021年8月10日 18時
