○○○○-He Wants It

26.例えお前でも…【SM】 ページ26

〓〓〓〓 25話 ｿﾝﾐﾝｻｲﾄﾞ 〓〓〓〓

家に帰ると、ﾘｮｳｸの靴があった。
ｷｯﾁﾝに居ると思い中へ入っていくと、ﾘｮｳｸを見つけた。
ただいま、と言おうとするとﾘｮｳｸは複雑な表情をした。

他の人が見たら気づかないかもしれない。
でもｿﾝﾐﾝにはどういう心境の顔だったのか、すぐにわかった。

でも、ﾘｮｳｸの事だ。大好きな姉をとられると思っての表情かもしれない。
そう思い込もうとした。
2階の部屋へ荷物を置き、再び下へ降りるとAに抱きついているﾘｮｳｸが目に入る。

それだけならよかったんだ。
でも、それだけじゃなかった。
俺のものでもなんでもないのに、とられた気がして悔しくなった俺は居てもたってもいられなくなった。

「何？味見？♪」
Aからゆっくり離れるﾘｮｳｸを横目で見届け、Aに近づく。
Aにもう一度味見をさせ、唇を舐めて味見をする。

口を舌で押し開けた時、Aからふと視線を外すとﾘｮｳｸと目が合った。
悲しい顔をするﾘｮｳｸを見て、胸が刺さった。
それでもAの舌をくわえて軽く吸い上げ、Aに視線を戻し、唇を離した。

ﾘｮｳｸのいるﾘﾋﾞﾝｸﾞへ行く。
ひどく落ち込んだﾘｮｳｸの顔を見て、胸が苦しくなった。

ごめん、ﾘｮｳｸ。
お前は何も悪くないのに…
こんな兄さんを許してくれ。
例え可愛いお前であっても、誰にも取られたくない。



あいつは、
俺が捉まえる。

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