…噛み痕.JN ページ29
JN:「可怕的人(酷い人)……」
母国の言葉で呟く程、貴方は酷い人だ。
いつものように、何事も無かったかのように振舞うAちゃん。
もう、居なくなっちゃうんだね。
昨日ジョンハニヒョンとスンチョリヒョンとの会話で理解した。
Aちゃんは僕達をあの人から守る為に自らを犠牲にして、僕達との関係を終わらせると。
魔の手が近づいて来ているのを、正義感の強いAちゃんなら黙っていれる人じゃないことも知っている。
だから、止めようがない。
遊んでほしい、構ってほしい。
最初は僕達に好意を抱かない大人の人だと思って、くっつかれるのを嫌がられてもくっついていた。
意識するきっかけになったのはあの日の涙。
僕よりも綺麗で、吐き気に襲われて動けなくなったAちゃんが僕の手を取った時には恋に落ちていて。
抱き上げた時の軽さや柔らかい感触、香水の匂いも鮮明に覚えている。
全部全部、僕だけの人(もの)になればいいのに。
本当に酷い人。
僕じゃない誰かの所有印まで付けられて笑っていられるなんて、残酷すぎる。
噛み痕の犯人は大抵予想は付いている。
きっと、日頃から噛み癖のあるウォヌだと思う。
JN:「痛い??」
A:「ん…??」
スケジュール帳とにらめっこ中のAちゃんを後ろから抱きしめるも、もうあの時のように怖がる気配はない。
JN:「ここ、ウォヌにやられたんでしょ」
A:「………誰にも言ってないのに」
痕のついた首筋に触れると居心地が悪そうに笑うAちゃん。
何もかも出会った頃とは違うAちゃんに嬉しさを覚えつつも芽生える感情は嫉妬。
今すぐ僕も噛みついて、上書きしてやりたい。
女の人と会話もろくに出来ないくせに、欲望に駆られる自分がいる。
それも、Aちゃんと出会ったからだよ。
JN:「秘密にしたいわけではなさそうだね」
A:「逆に隠してた方が怪しいでしょ。飼い犬に噛まれたって言えば信じる人も「じゃあ飼い猫は??」………猫??」
JN:「ここに、おっきくてかわいい猫がいるじゃん」
身体の向きを変え真正面から向かい合う。
切れ長で、でも隠れているのは綺麗なアーモンド形の瞳。
JN:「猫だってマーキングするんだよ」
チュっ
やっぱり勇気のない僕はその綺麗な瞳にキスを落として、残った噛み痕に顔を埋めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 545人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
柘榴(プロフ) - 申し訳ございません、この章で終わる予定でしたがもう少し続きます(T_T) (7月28日 21時) (
レス) @page35 id: 15b01be891 (このIDを非表示/違反報告)
柘榴(プロフ) - みなみさん» ですがここまで長く続けて来られた作品ですので時間はかかりますが完結させたいと思っております、数ヶ月で治る病気ではありませんしいつになるともハッキリ申せませんが必死に治療して完成させたいと思いますので長い目でお待ち頂けたら嬉しい限りです。 (2023年1月17日 20時) (レス) id: 15b01be891 (このIDを非表示/違反報告)
柘榴(プロフ) - みなみさん» 初めまして、コメントありがとうございます!!更新につきましては私事ながら持病と精神疾患を患っており今現在執筆出来る状態ではないという返答になります……みなみ様の他にも心待ちにして下さる方が居られることを承知しておりながらもどかしくしております。 (2023年1月17日 20時) (レス) @page8 id: 15b01be891 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - 続きが気になります！更新しますか？ (2023年1月1日 10時) (レス) @page8 id: 38bc2a156b (このIDを非表示/違反報告)
柘榴(プロフ) - 赤福食べたいさん» コメント並びにお気遣い頂きありがとうございます!!体に無理のないよう、時間を見つけて執筆していきますので引き続き応援して頂けたら嬉しいです（^ω^ )♪ (2022年7月8日 20時) (レス) id: 5ec9e6be28 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：柘榴 | 作成日時：2022年7月1日 21時
