拝啓、人殺しの君へ。4【SEVENTEEN】

…真実.You ページ2

その日は何も考えられず、仕事にも支障をきたす自信しかなく会社に連絡を入れて真っ直ぐ帰宅した。
泣き続ける私を乗せたタクシー運転手も何事だろうと怪訝に思っただろう。

帰宅してぐちゃぐちゃになったままのメイクも落とさずベットになだれ込み子供のようにわんわんと声を出して泣く。
そうでもしないと自分を抑えきれない。
死んでしまいたくなる。
IMさんからもらった書類だって本当はあの場で破り捨てたかったぐらいだ。
机の上に放り出した書類の山に加わった新しい書類には私の知らない情報がたくさん書いてあった。










＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿





キム・サンフン。
それが義父の本名だった。
当時は義父の名前など興味もなく知ろうともしなかった。
1990年に前妻と結婚、その年に長女ミンジが誕生。
職業は貿易商と書いてあったが職を転々としていたことが多く収入は決して多いわけではなかったそうだ。
1997年にはチョンガル、イェジュンが誕生。
2000年までは姉弟としての繋がりがあり当時の事を覚えている人に話を聞くと仲も良かったそうな。
けれどもサンフンの浮気癖が酷いことをきっかけに前妻とは離婚。
親権は前妻にあったもののシングルマザーとなる身、経済的にも厳しくイェジュンの親権はサンフンに移った。

ミンジは母親に連れられ母親の故郷である江原道(カウォンド)へ。
祖父母と同居し貧しくあるも高校を卒業しアルバイトで稼いだお金で美容専門学校に進学。
専門学校を卒業後居住をソウルに移し、1年下積みを得てPLEDISに入社。

…と、書いてあるが事実とはことなる、らしい。
これはあくまでキム・ミンジが『パク・ソウン』としてPLEDIS、SMエンターテインメントに提出した履歴書だ(サンフンに関しては事実)
IMさんが持ってきた書類はミンジの親戚の証言を基に書き記されていた。

キム・ミンジ、1990年生まれ(現在26歳)
幼い頃から自己主張の強い子供で祖父母、母親との仲も良くなかった。
高校から友人の影響でYGエンターテインメント研修生としてソウルと江原道行き来、18歳で『Mary』としてデビュー。
しかし激しい競争の中で『Mary』は約2年で事実上の解散、PLEDISに入社したのはその後。
アイドルとして活動していた時と顔は違い、チョンガルの面影を残しているのは切れ長な瞳だけだ。





「それでも姉弟であることには違いないのか……」





整形したミンジの顔写真を思わず握りしめた。

…幻のアイドル.You→←…確証.You

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す