3.アンタにはできない ページ4
広斗「なぁ」
放課後、黙って教室を出て行こうとするAを呼び止めると、視線をこちらによこして顔をしかめた。
A「…なに」広斗「委員会行くんだろ」
Aは無言で歩き出した。その後をひょこひょこと追い掛ける広斗。
教室には既に何人かいて、Aが座った席の横に着く。
広斗が教室に入った瞬間起こったざわめきに、Aは当然の如く顔を歪める。
A「アンタといると、目立つからイヤ」広斗「…目立ちたくて目立ってるわけじゃないから」
つん、と顔を背けるAに広斗は鼻を鳴らした。
ーーーーーーーーーーーーーーー
広斗「ねぇ、これ何委員なの」A「は…、知らないで委員会入ったの？」広斗「入らせられたの」
委員長に決まっただろう生徒が黒板前で説明をしているのを聞き流し、隣のAに小言で話しかける広斗。Aは相変わらず嫌な顔をしている。
そんなに俺が嫌かよ。
A「…環境委員」広斗「…それ、何すんの」A「花壇の世話」広斗「うっわ…だりぃ……やめときゃよかった」
ひくり、と頬を引きつらせた広斗にAは嘲笑うように返す。
A「そーね、アンタの顔に花は似合うかもしれないけど、それを育てる過程はシヌほど似合わない」広斗「…は」
なんだか無性に腹が立った。
こいつに何がわかるというのか。
広斗「…できる」A「無理でしょ」広斗「できなくてもやる」A「続かないよ」広斗「やるったらやるんだよ」
ギロッと睨んだ広斗に、なぜかAは笑った。
A「アンタ、そうやって威嚇してる顔しか見たこと無い。折角綺麗な顔してるのに、普通の顔できないの？」広斗「…うるせぇ」
綺麗な顔だね。
昔からよく言われる言葉だったが、言われる度に、自分の顔に嫌悪感が湧く。
好きでこの顔なんじゃないし、好きでこの性格なわけじゃない。
でも
今日向けられたその言葉は、玲瓏とした褒の念と、玉響の嘲が含まれているように感じた。
不思議とあまり嫌悪感はなかった。
彼女から発される嘲の念をかき消してしまいたい。玲瓏なその視線だけが欲しい。
思いとは裏腹な態度をとる自分を客観的に見て、またやってしまったと舌打ちをした。
…これもダメな原因なんだろうな。
わかっているけど、実行するのは簡単じゃないんだ。
彼はどこまでも不器用だった。
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しずね(プロフ) - 優花さん» コメントありがとうございます！返事が遅くなってしまい申し訳ありません汗 頑張ります、よろしくお願いします^_^ (2016年10月18日 20時) (
レス) id: b7c9368b76 (このIDを非表示/違反報告)
優花(プロフ) - 広斗大好きです！続きが気になります！更新頑張ってください！ (2016年10月11日 17時) (レス) id: 4d4b4f8455 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しずね | 作成日時：2016年10月10日 16時
