2.苦しい気持ち ページ3
委員会決め問題があった次の日。
クラスでのAはかなり浮いているようだった。それでも、彼女には数人の友人がいるようで決して1人ぼっちになるわけではないらしい。
その点、広斗は1人だ。取り巻きのように広斗に絡みに来る女子の他、友人らしい友人はいない。それを心配してか、日に日に小言の多くなる雅貴を思い出して広斗は舌打ちをした。
「ちょっと、雨宮君」
不意に声をかけられた。眼鏡をかけた、大人しく気弱そうな女子。しかし、瞳に湛える光は強い意志を感じた。
「今日の委員会、出るつもりある？」広斗「委員会…今日なにかあるのか」「放課後集まりがあるの。雨宮君、サボりそうだったから。出ないんなら私が代わりに行く」
矢継ぎ早に告げられ、広斗は思考を巡らせた。彼女はきっとAの友人なんだろう。
広斗「…面と向かってサボりそうとか言うんだな、お前」
そう呟けば、女生徒ははっとした顔をして視線をそらす。
広斗「…いーよ、ちゃんと出るから。お前のトモダチには迷惑かけねぇから」
面倒臭そうに吐き出された言葉に、その女生徒は安心したようで、にこっと笑って他の友人の元へむかった。タイミング良く、教室を出ていたらしいAが戻ってきたらしく、ぼそぼそと話をしていた。
ふぅん。
気を使わせないように、か？
自分と違って彼女には友人がいた。
彼女はクラスの大半の女子には嫌われているようで、孤立しているようにも見えたが。
俺と違って友人がいる。
ちらりと視線をあげれば、談笑しながら微笑むAがいて。悲しいような、嬉しいようなよくわからない感情が渦巻いた。
苦しい。
こんなに苦しいのは、なんでなんだろう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 87人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しずね(プロフ) - 優花さん» コメントありがとうございます！返事が遅くなってしまい申し訳ありません汗 頑張ります、よろしくお願いします^_^ (2016年10月18日 20時) (
レス) id: b7c9368b76 (このIDを非表示/違反報告)
優花(プロフ) - 広斗大好きです！続きが気になります！更新頑張ってください！ (2016年10月11日 17時) (レス) id: 4d4b4f8455 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しずね | 作成日時：2016年10月10日 16時
