1.嫌いな男 ページ2
A「私はアンタのこと、嫌いだから」
じとりと相手を見やる広斗に怯まずキッと睨みつけ、そう言い放った彼女。
チクショウ。ムカつく女だ。
そう思う反面、彼の心中は明るく色付く。
この瞬間から、彼は彼女の虜だった。
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ことの始まりはクラスの決め事。
広斗「…は？なんで俺が」生徒「いや…クラスで1人一回は委員会に入る決まりだから……」
大人びた風貌に、冷たい視線。クラス委員であろう生徒は、しどろもどろになって説明する。
生徒「で、まだ委員会をやってない女子があの子達なんだけど、みんな雨宮君と委員会やりたいって」広斗「…。」
彼の指差す方向へ目をやると、きゃあきゃあと色めく女生徒が数名。
あんかうるせぇ女と委員会なんて最悪だ。
舌打ちした広斗の耳に聞こえてきたのは、否定の意思を表す凛とした声。
A「ちょっと、私雨宮と委員会やりたいなんて言ってない」
クラスに響いた彼女の言葉に、女生徒達は彼女を睨みつけて非難の声を浴びせかける。
「飛鳥さんひどい、そんな言い方しなくていいじゃない」「雨宮君の気持ち考えてよ」「最低！」A「…そう、ごめんなさい。で、私は辞退するから後はアンタ達で決めれば？よかったじゃん、ライバル減って」
そう言って席に着くAに、クラスの女生徒達はヒソヒソと陰口をたたく。一方男子生徒達はというと、女子の繰り広げる雨宮争奪戦はいつものことであり、無関心、あるいはスカした広斗の悪口でも言っているかのどちらかだ。
広斗「…なぁ、俺、あいつとだったら委員会やってもいいよ」生徒「…え？飛鳥さんと？」広斗「じゃなきゃ、やんないから」
ただ単純に、自分に興味のない奴となら、と思っただけだった。
A「はぁ！？」
それにAが不満を露わにしたことは明白で。
散々に揉めた結果、クラスの黒板には無情にも『雨宮 飛鳥』と記される。
それで、話は冒頭に至るのだ。
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A「ありえないんだけど！私、また目ェ付けらるじゃん」広斗「…俺だって、あんな女達と一緒に委員会なんてやりたくねぇ」A「…わからんでもないけど！巻き込むなんて最低っ！」
嫌いだと自分に言い放った彼女の顔は、綺麗だった。いや、彼女が特段美人だというわけではない。ただ、目が離せなくなった。
…意味わかんね。
これがどんな感情なのか、彼はまだ知らない。
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しずね(プロフ) - 優花さん» コメントありがとうございます！返事が遅くなってしまい申し訳ありません汗 頑張ります、よろしくお願いします^_^ (2016年10月18日 20時) (
レス) id: b7c9368b76 (このIDを非表示/違反報告)
優花(プロフ) - 広斗大好きです！続きが気になります！更新頑張ってください！ (2016年10月11日 17時) (レス) id: 4d4b4f8455 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しずね | 作成日時：2016年10月10日 16時
