4 ページ29
大きめの声でツッコミを入れたキヨに誰も答えず、『声大き…！』とだけレトルトが言えば話題はすぐに元に戻る。
ガッチマンが再度問題の部分を提起するべく発言してくれた。
『まあとにかくさ、キヨと最初に繋がったのは何でかってのが鍵じゃない？』
｢きっとそこは変に誤魔化さない方が良いですもんね…知ってる人は知ってるでしょうから｣
『そうやねぇ…そこが一番難しいんよなぁ』
『キヨが積極的に声掛けるっていうのがまず想像出来ねぇし…』
『そうなのよ、キヨだし…どう繋がった事にするかだよね』
『黙って聞いてれば好き勝手言いやがって…！』
｢ま、まあまあ…あ、じゃあ私が先にキヨさんをフォローしてたら、たまたま返してくれてそこから交流が…って事で良いんじゃないですか？それなら何か言われるのも私だけで済みますし…｣
元々会った時にAからフォローしたのだから、悪くない答えではある。
ただ他の四人の懸念はそれこそ後半の言葉にあった。
『みぃが何か言われるのは俺は嫌なんだけど』
｢…キヨさん…でも…｣
『俺も嫌やなぁ…俺達はもう10年やってるから慣れてるっちゃ慣れてるけど…』
『それな、みぃはほぼ荒れずに来てるんだから…もしそうなったら辛いぞ？』
『そうそう、こういうの言われるのはおじさん達に任せときなさい？』
｢み、皆さん…そう言って貰えるのは凄く有り難いのですが…他に良い言い訳も思い付きませんよ？｣
ぽつりとAが言った言葉に沈黙が流れる。
皆わかっているのだ、それが一番の案だと。わかってはいるが、Aへの心配故にそこに踏み切れない。
しかしこれ以上悩んでもきっと何も出てこないだろう。
『………よっし、わかった、それで行こうぜ！』
｢キヨさん…はいっ｣
『ただし！一つ条件がある…良い？』
｢…なん、でしょう？｣
『何かあったら必ず俺に言う事。一人で抱えて悩まない事……それでAちゃんが辛くなるの、俺は一番嫌だから』
｢……わかりました、その時は必ず相談させていただきますね、キヨさん｣
なんてやり取りを二人で交わせば、他の三人も混ざって来る。
『俺にも言ってや、みぃちゃん！』
『もちろん俺にもね？』
『私にも言ってくださいよー？みぃちゃんの為ならいくらでも力になりますとも』
そんな優しい言葉を聞いてAは目に涙を浮かべるのだった。
さり気なくキヨがAを本名で呼んだ事は、三人は聞いてないふりをして…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 237人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
閑万(プロフ) - 翔乃さん» うわあぁ！コメントありがとうございます、翔乃様…！！まさかこの様な作品にこんなにも素敵なコメントを頂けるなんて思っておりませんでした。キュンキュンしたのすでの方です…！ありがとうございます、日々少しずつ書き溜めておりますので…お待ち頂けると幸いです… (2023年2月3日 23時) (
レス) id: 7197de9df7 (このIDを非表示/違反報告)
翔乃(プロフ) - リアルで起きていることではないはずなのに、なんだかとてもリアルさを感じる作風がとても好きです。小説の中のキヨくんに何度キュンキュンさせられたか！ お仕事されながらの両立は大変かもしれませんが気長に更新を楽しみに待っています！ 頑張ってください！ (2023年2月3日 17時) (レス) id: 859fd3194a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：閑万 | 作成日時：2023年1月4日 10時
