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何とかかんとかチラシの刷り直しまで終わり、しっかり納品してから皆退社した。日付が変わる頃になるかと思ったのだが、皆必死で終わらせた為に思ったよりも早い22時頃の退社となった。
各々疲れた顔をしていたが、明日は土曜日で休みなので皆どこか晴れやかでもある。
それぞれに声を掛け合ってから帰路につきAが最寄りの駅に着いたのは23時を回った辺りだった。

(コンビニで軽く何か買って帰ろうっと…)

そう思って改札を出ると少し離れた場所に人影が見える。
暗くて誰がまでは分からない為にAは自身とは関係のない人物だと考えてすっと視線をそらす。
するとその人影はAの方へ歩いて来るので少し警戒心を強めた。

(誰?…まさか変質、しゃ…)
「お帰りなさい、Aさん」
「……き、キヨさん……!?」
「うん、遅くまでお疲れ様」
「あ、ありがとうございます…じゃなくて、どうしてここに…?」
「Twitterで残業だって見たからさ、遅いと心配だし…迎えに来た。送るよ」
「へ……え!?」
「ほら、行こ?あ、コンビニ寄る?」
「寄り、ます…え?…キヨさん、もしかしてずっと待ってたんですか…?」
「まさか、俺の家そんなに遠くないからさ。ちょこちょこ見に来てた」
「そ、そんな迷惑をかけてたんですか私…!?」
「何で迷惑?俺が勝手にした事なのに」
「そ、うです、けど…」


ケラケラと笑いながら言ってのけるキヨにAは困惑してしまう。
また会えて嬉しいという思いと、無駄な労力を使わせてしまったという申し訳なさが入り混じって混乱した。
しかし残業で疲れ切っている頭はそれ以上の思考を拒否した為、会えて嬉しいとポジティブな方向で落ち着ける事にする。

二人で並んでコンビニに入ると、店員のやる気のない声が響く。
とりあえずカゴを持てばそれは横からキヨにかっさらわれる。
何か言おうとするもそれは無駄だと言うようにキヨは店内をウロつき始めるのでAも諦めて飲み物のコーナーへ。
お茶と缶のカクテルを手にすればいつの間にか隣に来ていたキヨがそれをカゴへ入れるように促す。そこには既にお菓子が少し入っていて、Aは小さくくすりと笑った。
キヨもお茶を一本、Aもお菓子を少しだけカゴに入れれば二人して小さく笑いあった。

その後キヨがさっさと会計を済ませてしまえばAは慌てて財布を取り出す。
しかし頑として受け取らないキヨに困ってしまうのだ。

3→←しょんぼりしました



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設定タグ:TOP4 , 愛され , キヨ   
作品ジャンル:恋愛
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閑万(プロフ) - 翔乃さん» うわあぁ!コメントありがとうございます、翔乃様…!!まさかこの様な作品にこんなにも素敵なコメントを頂けるなんて思っておりませんでした。キュンキュンしたのすでの方です…!ありがとうございます、日々少しずつ書き溜めておりますので…お待ち頂けると幸いです… (2023年2月3日 23時) (レス) id: 7197de9df7 (このIDを非表示/違反報告)
翔乃(プロフ) - リアルで起きていることではないはずなのに、なんだかとてもリアルさを感じる作風がとても好きです。小説の中のキヨくんに何度キュンキュンさせられたか! お仕事されながらの両立は大変かもしれませんが気長に更新を楽しみに待っています! 頑張ってください! (2023年2月3日 17時) (レス) id: 859fd3194a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:閑万 | 作成日時:2023年1月4日 10時

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