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特に振り返って確認したりはしないが、人が居るのがわかった。
それ程待たされもせずにレジが終わるとカードで払う為に財布を取り出してお会計も素早く済ませる。
サッカー台で買った物をエコバッグに詰めていると後ろから控え目な声で呼ばれた。


「…あの…」

しかしその声が控え目過ぎたのかAは自分が呼ばれているとは思わずに黙々と荷物を纏める。
入れ忘れた物がないか一度カゴをさらっと確認してからエコバッグを肩に掛けると、その反対の肩を軽くとんとんと叩かれた。


「あのー…聞こえてますか?お姉さん」
「…え?…あ…わ、私ですか?」


漸く呼ばれている事に気付いて振り返ったAは目の前にいる人物の顔を思わずじっと見た。

(…あれ?この人どこかで会った事があるような…どこだっけ…)

視線を送る中でその人が手にハンカチを持っている事に気付いた。
それも見覚えがあって、それもそのハズ。そのハンカチは自分の物なのだから。


「ハンカチ、落としましたよ」
「…す、すみません、財布出した時に落としたんだ…」
「呼んでるのに気付かないんだもんなぁ…」
「ご、ごめんなさい…!」


ハンカチを受け取ってから慌てて深く頭を下げる。
それを見て目の前の男性は小さく笑ってくれてほっとした。
頭を上げれば今度は気になるのはその人の声。

(この低めの声…やっぱり知ってるような気が…)

再度顔を見るように見上げると自分よりもかなり背が高いとわかる。
楽しそうに笑う顔は幼いように見えて整っている、所謂イケメンというものだろう。
結局誰かを思い出す事が出来ず、拾ってくれた男性に何度もお礼を言っては大人しくマンションに帰宅した。

思い出せなくてずっともやもやしたままでお風呂に入ってさっぱりすれば、晩御飯を作り始める。その間にも色々考えるのだが、やはりどうしても思い出せない。
作った物を食べつつテレビを付けてYouTubeを見る事にした。


「…あ、キヨさんのフリーホラー見ようっと」


Aはもう何年もTOP4の動画を見ていて、こっそりとファンなのだ。YouTubeを始めたのも彼らの影響が大きいと言っても過言ではない。

キヨのチャンネルを表示させると動画の一覧から見たい物を探す中、一つの実写に目が釘付けになる。
最俺の動画だが、そのサムネに映るその人から目が離せなくなった。そっと再生させるとそこには今日、しかもさっき会った人物が映っているではないか。

3→←驚きました



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設定タグ:TOP4 , 愛され , キヨ   
作品ジャンル:恋愛
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閑万(プロフ) - 翔乃さん» うわあぁ!コメントありがとうございます、翔乃様…!!まさかこの様な作品にこんなにも素敵なコメントを頂けるなんて思っておりませんでした。キュンキュンしたのすでの方です…!ありがとうございます、日々少しずつ書き溜めておりますので…お待ち頂けると幸いです… (2023年2月3日 23時) (レス) id: 7197de9df7 (このIDを非表示/違反報告)
翔乃(プロフ) - リアルで起きていることではないはずなのに、なんだかとてもリアルさを感じる作風がとても好きです。小説の中のキヨくんに何度キュンキュンさせられたか! お仕事されながらの両立は大変かもしれませんが気長に更新を楽しみに待っています! 頑張ってください! (2023年2月3日 17時) (レス) id: 859fd3194a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:閑万 | 作成日時:2023年1月4日 10時

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