【d!】I love you, my medicine♡【短編集】 (ページ11)

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トリカブト〘紫〙ページ11

毒が多く含まれてる花って大体色鮮やかなのが多いっすよね～

きっと濃い色にすることで危険を察知しやすくなってるんじゃないすかね？

知らんけど

その中でも日本で最も強い毒花だと言われているトリカブト

この花は鮮やかな紫色のお花なんすよ♡

めちゃくちゃ綺麗じゃないすか

俺は死ぬならこの花に殺されたいわ

あ、でも紫と言えば彼女も好きやったな

ふふｯ一緒やな？

仲良く二人で死ぬか？笑

君もこの花も綺麗だ

でもさ

感情のなくなった方がAは美しくなるんちゃうか？

あ、べつにAの性格が嫌いとか言ってんじゃなくてシンプルに人間ってそうじゃん

人間は中身のない空っぽなのが1番なんよ

争いも起きない平和やでぇ

まあ俺は人との関わりが苦手やから

人間なんておらんほうがええって感じるんよな笑

まあAのことは好きやけどな？

でも最近疲れてきたんや

生きるってほんと辛いよな

俺もや

だからさ、

一緒に死なへん？

いい機会やろ

好きなんや

だから、一緒に逝こう？

俺は彼女に内緒で機密に入手したトリカブトを引き出しに大切に保管した

そのうちAに盛るつもりや

『ただいま～』

syp「おかえり。なにしてたん？やけに遅かったな？」

もう夜だ

明らかに遅い

『なにって、なんも～』

なんもないならはよ帰って来るやろ

それともなんや？

俺には言えないことでもしてたんか？

syp「ちゃんと正直に言えや」

『いや、ほんとになんもぉ』

ほんのり赤くなった頬

を見るといろいろなことを考えてしまう

syp「そおか。風呂入ってき」

『うんー』

そう言ってスマホも持って洗面に行った

スマホを持ってく必要あるか？なんてまた被害妄想を浮かべる

ｼﾞｬｰｼﾞｬｰ

彼女が風呂に入ってる間にこっそり洗面に潜入してスマホを覗き見る

やってはいけない

分かっているけど、この不安な気持ちが心残りでしかたなく確認した

そこには俺の知らない男とのやり取りが目に入った