【stxxx】【赤】君の居ない日常、色の無い世界【完結】

21　やっとだね、 ページ22

C Side
・

「ｯー!!」

さとみくんが声にならない叫び声を上げる。でも、悪いことではなさそうだ。頬が緩みきってるもん。

「どうしたんですか？」

るぅとくんがそう言うと、さとみくんは満面の笑みでスマホの画面を見せる。そこには、莉犬くんとのLlNEでのやり取りがあった。

“既読”

確かにそう書いてあった。やっと、やっと既読が付いたんだ。心の中でガッツポーズをしていたその時、僕のスマホから通知音が聞こえた。…それも、連続で。

誰かがスタ連でもしてきたのかというくらいの勢い。流石に気になって、バッグからスマホを取り出す。

皆も、急になり始めた僕のスマホに不思議そうに首を傾げている。

パスワード入れ、通知を確認する。そして驚く。いつの間にか覗き込んでいた皆も、空いた口が塞がらないみたいだ。

無理もない、だってその通知の内容はほぼ全部…


「莉犬くんからのLlNE」だったんだから。




やっと、やっと連絡ができたよ。

莉犬くん。逃げないでいてほしい。

いつか、この僕達の作戦が莉犬くんを救うことになるから。

そして…Aへの想いを「想い出」に変えれるから。


ここからが僕らと莉犬くんの勝負の始まりなんだ。



・

22　迷惑→←20　通知

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す