たよった ページ3
⚠ 小学2年の設定により、喋り言葉が平仮名。
・
「はじめまして。今日からよろしくおねがいします。きせるとです。」
嗚呼、また懐かしい夢を見ている。
小学校2年生。ぼくは苺小いちご学校に転入することになった。
そこで出会ったのがAだ。
“可愛い”というのが第一印象だった。
「るとくん…じゃあるぅとくんだね!よろしくね、わたしはA。」
人見知りで、中々喋りかけれない僕にAは話しかけてくれた。おかげで、他のことも仲良くなれたんだっけ。
隣にいた男の子も口を開いた。
「るぅとくん!おれはりと。でも犬みたいだからってりいぬってよばれてるんだ!」
そう言いながらぎゅっとAの腕を掴む。この時から二人はお似合いだったのかもしれない。
でも、純粋だった僕はそんなことを気にせず仲良くしていた。
✃ーーーーーーー✃
給食の時間。Aと莉犬が幼馴染だってことを知る。
だから仲良かったんだ、と納得しながらも自分が仲間に入れてもらえたことが嬉しかった。
ふと、Aのお箸が止まった。Aは莉犬の顔を覗きながら言った。
「りいぬ…きのこ、食べてくれる?」
苦手なんだ、と分かる。莉犬は優しく笑った。
「いいよ。先生には秘密、だよね?」
僕にはついてけない空間。話に入れなくて悔しかったことを覚えている。
その時はそんなモヤモヤした気持ちの原因が分からなかった。
でも、今なら分かる。
貴方が“きのこを食べて”と頼ったのが
_僕じゃないから。
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菜穂(プロフ) - 最後の終わり方がすごすぎて鳥肌立ちました。これからも頑張ってください。 (2021年3月3日 5時) (レス) id: fb9e5a147a (このIDを非表示/違反報告)
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