なみだ ページ14
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不安そうな表情で相談してくるのはA。喫茶店…では無いけれど公園のベンチで話していた。
「るぅとくん…どうしよ、緊張しちゃうよぉ…」
告白する直前、Aは何を思ったのか不安そうに俯く。
正直、横にいるAは可愛すぎる。
“告白するため”と言ってしたナチュラルメイク。少しふんわりとした服。そこにAらしさが詰まっていた。
自信なさげなAに僕は言う。
「大丈夫。Aなら上手く行きますから…。」
これは確信だ。何故って、お互いの気持ちを知っているんだから。
‘でも…’とまだ不安そうなAに僕は悪戯に笑った。
「上手く行かなかったら…僕のところ、おいで。僕を好きにさせてあげます。」
僕がそう言えば
「えっ…。」
なんて、驚いた声を上げるA。
‘冗談ですよ’と笑う。でも、そういしている間にも時間は過ぎていく。
「ほら、行ってらっしゃい。」
‘うん!’とAは元気に行った。
貴方は知らないでしょう?
あの言葉は冗談なんかじゃない。
莉犬と上手くいかなかったら…なんて言ってるけど、上手くいかないわけないんだ。
僕は…莉犬がだす答えを知っていたから。
まだ上手くいったわけでもないのに涙が溢れて止まらないのは、貴方が告白しに行く相手が
_僕じゃないから。
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菜穂(プロフ) - 最後の終わり方がすごすぎて鳥肌立ちました。これからも頑張ってください。 (2021年3月3日 5時) (レス) id: fb9e5a147a (このIDを非表示/違反報告)
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