転校生の時間 ページ8
修学旅行が終わった翌週。今日からまた通常授業が始まる。そんな日の前日に、烏丸先生から一斉送信メールが届いた。
烏「明日から転校生がひとり加わる。多少外見で驚くだろうが、あまり騒がず接してあげてほしい。」
…この文面、そしてこの時期に来る転校生。俺が言えたことじゃないが、暗殺者の可能性が高いよな。
そんなことを考えながら校舎に向かっていると、前に固まっている4人の集団を発見した。杉野、渚くん、岡島くん、磯貝くんだ。
『4人ともおはよー。そんなところで立ち止まって何話してんの？』
磯「おはよう、暁。転校生の話だよ。岡島が写真を入手したらしいんだ。」
『写真？』
岡「いや、気になってさ、顔写真とかないんですかってメールしたのよ。そしたらこれが帰ってきた！」
そういって見せてくれたのはスマホに映った女の子だった。しかも、待ち受けにされてるし。
杉「おぉ、女子か！」
潮「待ち受けになってるし」
磯「普通にかわいいな」
岡「だろー！スッゲーかわいいだろー！はぁー！仲良くなれっかなー！」
と、みんなして岡島くんのスマホを見ていたら、いつものごとく岡島くんがはしゃぎ始めた。
いや、まぁ、かわいいことには変わりないのだけれど…。
『でも、烏丸先生からのメールの情報と合わない部分ない？確かに、こんなに可愛ければ騒がれはするだろうけど、外見が驚くほどか？』
磯「あぁ、暗殺者にも見えないしな」
潮「うん」
と、そんな会話をしてたら片岡さんたちが横を通り過ぎた。岡島くんの様子を見て、関わらないようにしようという感じに…。
杉「浮かれすぎだろ、岡島…」
『それより早く教室行こうぜ、もしかしたら、転校生もう来てるかもよ。』
そういって俺たちは校舎に向かって再び歩き出した。
杉「さぁーて、来てっかな、転校生」
そういって教室のドアを杉野が開けると、教室の俺の席の隣には、何か四角い縦長の黒いボックスがあった。
磯「なんだこれ。」
磯貝くんがそういった直後、ｳﾞｫﾝという、機械音と共にボックスの液晶画面がついた。その中には先ほど話題になった。女の子が映っていた。
自「おはようございます。今日から転校してきました。"自律思考固定砲台"と申します。よろしくお願いします。」
そう言うと、またｳﾞｫﾝと音を立てて液晶から女の子が消えた。
多分、この場にいたみんなが思っただろう…。
………そうきたか！！
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作者名：シズク | 作成日時：2020年5月17日 20時
