12.重荷 ページ2
you.
私は、ロープを解いてくれた若宮さんにお礼を言って獅子雄の所まで走っていった。
それを獅子雄は、優しく受け止めてくれた。
「あぁ、A……そうやって貴方は、また私を置いていくのね」
そんなことを小さな声で辛気臭く言う母に私は言った。
『私にとって、幸せは用意できないものなの。だから、お母さんの用意してくれた“それ”は幸せじゃない。
私にとって、ずっと
それを伝えると、母は泣き始めた。
すると、私の頬を叩いてきた_________と思ったが、それは獅子雄によって弾かれていた。
「あんたは！！！！！
いつもそうやって、私の幸せを台無しにしていく！！
どうしてこんな簡単で大きな幸せを大切に出来ないの！！！」
それを言われた私は、小さな頃からの癖で謝罪の言葉が喉から出そうになったが、静かに飲み込んだ。
どうやって言葉を返そうかと。悩んでいると後ろから男性がやってきた。
「…もう辞めるんだ」
『お父さん…』
家の中で唯一の味方だったお父さんが、そこにいた。
「理恵子、そんなことしたってAは幸せにはなれない」
「あなたまで…！！！！」
青ざめたお母さんは、膝から崩れ落ちて行った。
そこで、警察がやって来てお母さんとお父さん、そして、私を捕まえた使用人が連行されていった。
.
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「どうして言わなかった？」
『ごめんなさい…迷惑かけたくなくて…………怒っちゃった？』
そう聞いた私を、獅子雄は険しい顔で見つめていたはずが、しょうがないなと頭を撫でてきた。
「最初は怒ってたけどな…今は大丈夫だ」
『うん、若宮さんもごめんなさい』
そう謝ると、首を振っていつものように笑っていた。
「そう言えばAさん、あの使用人の人と話した？」
『うん、したよ』
「そっか、なら良かった」
あの使用人は、私と同い年の使用人だった。
ちょうど、私が家を飛び出す前に長期研修へと渡っていて一年後に帰ってきたところ、家は私がいなくて毎日悲惨だったらしい。
さすがに落ち着いてきた頃に、私を
詳しくは聞いていないが、あらゆる
あの見なれたハンカチは
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「あの時のハンカチ…返した方がいいですか？」
『ううん、持っておいて！』
私がそう言うと、彼はあの時のように笑った。
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雫(プロフ) - アゲハさん» コメントありがとうございます！面白い等の嬉しい言葉ありがとうございます！最後まで読んで頂きありがとうございました！ (2020年5月20日 0時) (
レス) id: 443525fccc (このIDを非表示/違反報告)
アゲハ(プロフ) - とても面白くてよかったです。 (2020年5月19日 9時) (レス) id: 2d9d5c7090 (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - over the rainさん» コメントありがとうございます！返信が遅れてしまいすみません！2期の際には、もう一度新しく書こうと考えています！最初の方からの応援ありがとうございました！コメント嬉しかったです！ (2020年1月13日 18時) (レス) id: b513cb94f0 (このIDを非表示/違反報告)
over the rain - 完結おめでとうございます！もしかしたら二期がやった時に新しく書いたりします？だと嬉しいけど、雫様のペースにお会わせください。最初の方から応援してました！本当におめでとうございます！ (2020年1月4日 20時) (レス) id: a4bab14be1 (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - ribonさん» コメントありがとうございます！あけましておめでとうございます！前作から、コメントして頂き嬉しく思います！ここの獅子雄を楽しんでください！ (2020年1月4日 13時) (レス) id: b513cb94f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雫 | 作成日時：2019年12月29日 20時
