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やっぱり、尾野さんは少しおかしいところがあるだけで普段は普通の女の子なんだ。
そう思いながら、私はウエハースを食べた。
━━━「病室でウエハースを食べ始めたんだよ」
そう話す忍が脳内で再生された。
『…は、はは…』
美味しいけど、食べ終わってから気付きたかった…なんて思いまた1口食べるとスマホの通知音が鳴った。
神谷こんにちは
Aこんにちは!
こんにちはという、挨拶だけでも胸が締め付けられてなんとも言えない感情に襲われる。
いや、どんだけ将人さんのこと好きなんだ、私は。
と思いながら次のメッセージはなんだろう?とワクワクとドキドキが混ざった変な感じで送信を待った。
神谷花を見に行く話、覚えてますか?
神谷あれ、再来週の土曜日でも大丈夫ですか?
A全然大丈夫です!
A楽しみです!
楽しみです!と送ると、既読はすぐに付いたのに返信が遅くて何かダメな文でも送っちゃったかな?と思っていると、数分後に返信が来た。
『…ふふ、かわいい』
返事には、今まで私たちのトークに入ることがなかったスタンプだった。
それも、うさぎのスタンプでかなり可愛い。
神谷俺も楽しみです
うさぎスタンプの後に、その一言のギャップは大きい…しんどい…。
と思いながら、そのあとも少し話をして会話は終了した。
色んなことをしてて、外は気付いたら少し暗くなっていた。
『そろそろ忍と沙和が帰ってきた頃かな』
さっき、尾野さんが聞いてきたことを思い出した。
━━━「しーくんって、帰ってくるのどれくらいですかね?」
『うーん、あと3時間後くらいだと思うけど…』
…いま、よく良く考えればあの笑顔は含みのある笑いだったのかもしれない。
付きまとってくる話を聞いた後なのに配慮が足りなさすぎる私はきっと馬鹿だ。
私は、サンダルを履いて急いで忍の部屋のインターホンを5回ほど鳴らした。
でも、何回押しても出てくる見込みはない。
…というかそもそも、家にいないんじゃ…?
コンビニに出かけたりしてるのもありえるし、普通に忍も変なところがあるだけで一応大学生だから…沙和と少し遊んでるのかもと思い、私は『ちょっと突っ走ったなぁ』なんて1人で恥ずかしく思いながら部屋へと戻った。
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雫(プロフ) - うみさん» コメントありがとうございます! 更新する度に楽しく読んで下さりありがとうございます!更新ができない時もありますが、最後までよろしくお願いします! (2019年9月19日 18時) (レス) id: b513cb94f0 (このIDを非表示/違反報告)
うみ(プロフ) - 更新される度に楽しく読ませてもらってます!これからもムリせず更新頑張ってください! (2019年9月16日 20時) (レス) id: 916f75cb10 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 誤字がありました。「空いてますよ」ではなく、「開いてますよ」です。 (2019年9月14日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - 無さん» コメントありがとうございます!この小説を好きと言って貰えて嬉しいです!更新、頑張ります! (2019年8月31日 7時) (レス) id: b513cb94f0 (このIDを非表示/違反報告)
無 - こんにちわ!この小説好きです!更新待ってますね! (2019年8月30日 22時) (レス) id: 06b55d11a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雫 | 作成日時:2019年8月22日 22時