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「早川教授が黒島さんを呼び出したのは匿名の電話があったからだそうです」
朝ごはんを、翔太さんの家で食べながら忍の話を聞く。
「電話?」
「はい。黒島さんがあなたを殺そうとしていますって男の声で」
…祭りの日に、教授からの呼び出し。
『その男の人が、沙和を駅のホームに向かわせて突き落とした可能性が高いよね』
「それに関係があるかどうか…亡くなった彼氏についても調べてもらうよう警察に頼んだよ。彼氏っていうか……彼氏の喧嘩相手。まだ何か恨み持ってるかもしれないし」
沙和の元彼については翔太さんから十分聞いた。
DVがあったことや、喧嘩でその彼氏が亡くなったことも。
私は、そんな沙和を頭の真ん中で思い出しながら、何も考えずに発言した。
『忍と沙和、一緒にデートすればいいんじゃない?』
「は?」
相変わらずあたりが強い忍を見て、私は『当たり前だよ?』と言うように、忍の目をじっと見つめた。
『ほら、気分転換にも。…黒島ちゃん、もうちょっとで退院でしょ?』
「…でーと………??」
あまりにも怖い顔をして言う忍に、こっちまで怖くなってきてしまって苦笑いをした。
『デートってそんな怖い顔して言うものじゃないでしょ』
「……で…」
忍が、怖い顔に等しい笑顔を作り「デート」と発言しようとするが、翔太さんの部屋のインターホンでそれはかき消された。
沙和の件もあって、慎重にインターホンのモニターへと向かう翔太さんの後をついて行く。
『…うわ』
「…うわ」
翔太さんは、私と同じタイミングでそう言うと、ドアを開けてインターホンのモニターにブレブレで映っていた人の元へと向かった。
『…忍、女の子をデートに誘ったことあるん?今まで』
「…あるわけないじゃろ」
『ふーん…あ、そこの皿洗う。たわんけえ取ってくれん?』
そう言うと、忍は「はい」と私の手に皿を置いて、私はそれを台所に置く。
スポンジに洗剤を付けて、泡立てて洗い始めると、翔太さんがちょうど帰ってきた。
「あ!ありがとう〜」
『いえいえ、さっきの話って何だったんですか?』
…
まとめると
西村さんはレストランで翔太さんに会った以前から、交換殺人を知っていた。
ということらしく、その情報と交換で佐野さんが持っていた血のついたタオルの写真を木下さんに返したらしい。
……西村さんは、何を知ってるんだろう?
私は、スポンジに擦られて綺麗になっていく皿を見ながらそう思った。
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雫(プロフ) - うみさん» コメントありがとうございます! 更新する度に楽しく読んで下さりありがとうございます!更新ができない時もありますが、最後までよろしくお願いします! (2019年9月19日 18時) (レス) id: b513cb94f0 (このIDを非表示/違反報告)
うみ(プロフ) - 更新される度に楽しく読ませてもらってます!これからもムリせず更新頑張ってください! (2019年9月16日 20時) (レス) id: 916f75cb10 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 誤字がありました。「空いてますよ」ではなく、「開いてますよ」です。 (2019年9月14日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - 無さん» コメントありがとうございます!この小説を好きと言って貰えて嬉しいです!更新、頑張ります! (2019年8月31日 7時) (レス) id: b513cb94f0 (このIDを非表示/違反報告)
無 - こんにちわ!この小説好きです!更新待ってますね! (2019年8月30日 22時) (レス) id: 06b55d11a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雫 | 作成日時:2019年8月22日 22時