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85.最後のような ページ41

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ある日ナースコールが病室に響いた。




貴「一颯…?ねぇ!!」


ほっそりとした女の子が男性の腕を掴んで必死に名前を呼ぶ。


それに対して、ゆっくりと笑いながら返事をする男性がいた。


柊「大丈夫だ…、大丈夫…だ、から。」




いつも通りに言う彼だったが、彼女には分かっていた。





貴「……そうだよね、大丈夫、だよね。」



そんなことはないと、お互いに分かっていながらも、普段通りに会話をするAと一颯。



柊「A…、いい天気だ、なぁ…。」

貴「うん…っ、!そうだね!」



涙を拭いながら、彼女は笑顔で返事をする。


その光景に、最善を尽くそうとするが医師たちはもう何も出来なかった。


柊「…今日も、Aはかわいい、な。」

貴「ありが、とうっ、一颯もかっこい…いよ。」


会話を重ねる度に辛くなってしまう。




すると、柊が笑いながら彼女に話しかける。

柊「うっ、、あぁ…………なぁA。」

貴「…どうしたの?」


涙を目にいっぱいためながら返事をする。


柊「さいご、くらい笑って…みせてくれよ。」


その言葉に、Aは何故か自然と涙が引っ込んでいった。


貴「そう、だね。」




そう言い、深呼吸をすると向日葵のような笑顔で柊を見つめた。





柊「やっぱり、…Aはそっちの方が、いいだろ。」


貴「…うん!!そうだよね!」


笑顔で返事をする。





すると、柊が目を瞑りながら、Aの手を握った。




柊「…A……愛し、て…る……。」


貴「私もっ!!!愛してるよ…一颯!…」




亡くなった人間は聴覚が最も生きていて。
ご臨終です。と言われるまで聞こえているらしい。


誰かから聞いた言葉をAは思い出しながら目一杯に叫んだ。







すると、ふんわりと笑って 涙を一筋だけ流して柊はこの世を去った。


「ご臨終です。━━━━━━━━━━━━」



すると、病室にたくさんの人が入って来る。





「先生!!!」




たくさん、先生を呼ぶ声が聴こえる。


自分の両親と3-Aのみんなだ。



貴「今…丁度…。」


そう言うと、みんなは信じられないという顔をして涙を流し始めた。


すると、1人が

「ありがとう。」

と言い初めて、一人一人がありがとう。を届けた。





貴「…一颯、きこえてる?」


Aはだんだんと冷たくなっていく一颯をしっかりと抱きしめながら、問いかけた。



貴「何だか、眠くなってきたなぁ…。」

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(プロフ) - 15猫さん» 何度も読み返していただけてるとは...!ありがとうございます。これからも愛読して下さると嬉しいです。 (2021年4月5日 15時) (レス) id: 443525fccc (このIDを非表示/違反報告)
15猫(プロフ) - 素敵な作品で感動しました!何度も読み返してます! (2021年4月2日 23時) (レス) id: 6f86e31a74 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ソーセージさん» こちらこそ、素敵な感想ありがとうございます!落ち着かない世の中ですが、体調に気を付けてお過ごしください! (2020年4月5日 15時) (レス) id: 443525fccc (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 蒼炎さん» 返信、かなり遅れてすみません!私の作品を読んでいただきありがとうございます!面白いという言葉、とても嬉しい限りです!これからも、最高の作品を作るのでよろしくお願いします!! (2020年4月5日 15時) (レス) id: 443525fccc (このIDを非表示/違反報告)
ソーセージ(プロフ) - すっごく面白かったし、感動しました!!!こんなに素敵な作品をありがとうございますっ! (2020年4月5日 15時) (レス) id: 711a78eb36 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年3月18日 22時

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