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柊side
みんなと会った丁度一週間後のこと━━━━
?「…ぶき!!…き!! 一颯!!」
酷く揺れている彼女の声に俺は目を覚ます。
貴「一颯…!!!」
涙を溜めた目からようやく雫が溢れだす。
柊「どう…し、たんだ?」
体を起き上がらせると、そこは真っ白な部屋で何もかもが白だった。
貴「一颯が…突然発作を起こして、何度も何度も名前を呼んだんだけど…起きなくって…!
それで…」
柊「大丈夫…大丈夫だから、な?」
俺はできるだけ優しく笑いかけた。
Aがゆっくりと、呼吸を整える。
貴「はぁ…、、はぁ………………。」
柊「ほら、大丈夫だ。」
貴「……。」
呼吸を整えたAは、俺に衝撃的なことを言い放った。
貴「一颯……、余命が…あと…1年もないって…。」
柊「は…、?」
嘘だろ?
なんの冗談だ?
貴「正確な診断は分からないけど、もう…安静にした方がいいって…」
柊「…そう…か。」
俺は、どうすることも出来なくて
ただ、返事をするしかなかった。
貴「あと、私も…、もう…しばらくは安静にした方がいいって。」
Aはどんどんと悪化して行っているらしい。
若い分病気の進みが早いそうだ。
柊「…だったら…同じ病室ってことだよな…?」
貴「…うん。」
貴「!!」
言いたい事に気付いたのかAが笑顔になる。
貴「一颯…天才!」
不幸の中から、幸せを見つけるなんて俺たちが大得意じゃないか。
ニコッと笑ってみせてくれるAの顔にほっとした。
柊「お前は笑顔の方が似合うよ。」
向日葵のように笑うAが好きだ。
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雫(プロフ) - 15猫さん» 何度も読み返していただけてるとは...!ありがとうございます。これからも愛読して下さると嬉しいです。 (2021年4月5日 15時) (レス) id: 443525fccc (このIDを非表示/違反報告)
15猫(プロフ) - 素敵な作品で感動しました!何度も読み返してます! (2021年4月2日 23時) (レス) id: 6f86e31a74 (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - ソーセージさん» こちらこそ、素敵な感想ありがとうございます!落ち着かない世の中ですが、体調に気を付けてお過ごしください! (2020年4月5日 15時) (レス) id: 443525fccc (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - 蒼炎さん» 返信、かなり遅れてすみません!私の作品を読んでいただきありがとうございます!面白いという言葉、とても嬉しい限りです!これからも、最高の作品を作るのでよろしくお願いします!! (2020年4月5日 15時) (レス) id: 443525fccc (このIDを非表示/違反報告)
ソーセージ(プロフ) - すっごく面白かったし、感動しました!!!こんなに素敵な作品をありがとうございますっ! (2020年4月5日 15時) (レス) id: 711a78eb36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雫 | 作成日時:2019年3月18日 22時